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地球儀のスライス

あの、いや確かに仕事してるんやけどさ、いい解説だったけどさ・・・

ハンターの続き描けやああああああああああああああああああああああ。あと木多先生も『喧嘩商売』の続きを描いてください(迫真)

というわけで新年一発目の読書感想は森博嗣先生の『地球儀のスライス』という短編集なのです。結構前に読み終わってたんですがテンション的に書くタイミングが今になってしもうた。

S&Mシリーズの短編が載ってるということだったので買ってみたんですが、感じとしては『四季』に近いイメージですかね。前提として読んでおかないといけない作品がある訳ではないんですが読んどいた方がいい作品があったり。あと、ミステリーよりも幻想的な作品が多かった印象かな。

えっとね、富樫先生が解説書いてるんですよね。買ってから気付いて爆笑しました。なかなか面白い解説です。小説家の人とは少し違った着眼点というかなんというか。

ちなみに富樫先生のおすすめは「小鳥の恩返し」「石塔の屋根飾り」「僕は秋子に借りがある」だそうです。さて、それを踏まえた上で作品感想にいってみましょうかっ。

○小鳥の恩返し

父が殺され、その病院を継ぐことになった男。彼と生涯を共にする決意をし、妻として看護師として彼に付き添う女。事件現場に残されていた小鳥。彼らはある事情を持ったその小鳥を大切に育てていたが不注意から逃げられてしまう。数年後二人の前にある女性が現れる。彼女は彼に言う。

「二人だけの秘密ですよ?私は先生にお世話をしていただいた小鳥です」

はい、こんな感じです。ここまでだと「鶴の恩返し」に似ているかなぁとは思いますが話の大筋はどちらかというと「雪女」に近い感じですね。

「誰にも話してはいけない。もちろん奥様にも」

ファンタジーだと思います?確かにこの小説の中にはファンタジーっぽい作品も収録されてますがこれはどっちかというとミステリに近いですね。なぜ二人だけの秘密なのかにもしっかりと理由があります。

本当に綺麗に全てがひとつの結末に繋がるんですよね。鮮やか。正直これがこの短編集のベストだと思う方は多いんじゃないかな?私もその一人ですし。なんと言ったって富樫先生のお墨付きですからね。

○片方のピアス

カオルはトオルと付き合っていた。だが、彼が彼の双子の弟であるサトルを彼女に紹介した時から3人の運命の歯車は狂い始める。引かれ合うサトルとカオル。カオルに結婚を迫るトオル。ふたりの男の間で揺れ動くカオル。そんなときサトルが海外出張にいくことになり・・・

双子系ミステリのテンプレ・・とは言えないですね。さすが森先生という感じのラストでした。

十戒には双子は出してはいけないってありましたけどこのトリックは使うと大体同じになってしまうので使いづらい部類な気がします。意外性が出せないよね、もう。

ただ、本作は双子トリックを使うよと最初に宣言してから読者に考える余地を与えるラストになってます。驚きではなく謎を提供する感じかな。らしいと思える作品ですね。

○素敵な日記

偶然屋敷に入り込み死体を発見した男。どうやら首を絞められ亡くなったらしい。通報はしたものの彼は現場にあり目を惹かれた「日記」を持ちかえってしまう。その後様々な持ち主を転々とする日記。日記の持ち主は次々と亡くなっていったのだ。

はい、「片方のピアス」とは違う意味で森先生っぽい作品です。確かに最初の記述で引っかかるところはあったんですが・・・

気付けるかそんなもんっ!

ただ、気付けないかんかったかもねぇ。私一応『四季』を読んでるわけやし。『すべてがFになる』を読んでいるわけやし。

かなりの変化球です。森先生的にはストレートなのかもですが、普通のミステリで考えるなら間違いなく変化球。インハイのボールから急激に変化してアウトローに落ちてワンバンするみたいな。

ただ、結末はとんでもですが個人的には好きだったりします。らしさが光ってますからね、この作品は。

○僕に似た人

まあ君のお母さんはとても綺麗な人。まあ君のお父さんはとても歳をとっています。どこかでみた顔を持っているまあ君。僕よりも歳下だと思っていたけどもう立派な大人らしいまあ君。僕の上の階に住んでいるまあ君の家族。僕のお母さんが死んでしまって引越すことになり・・・

少なくともミステリィではないですね。というかこれだけ読んでも正直なんの物語だったのかが分かりません。僕が淡々とあった出来事について語るだけなので。はっきりいえば作品中にはオチとかも用意されてないです。

この作品が違った意味を持つことが分かるのはこの後のある作品を読むと分かったりします。全然関係ないように思える作品の中に答えがあったりしますので注意深く読んでくださいねー。

○石塔の屋根飾り

西之園萌絵の家に集まった犀川創平、喜多北斗、国枝桃子、そして萌絵の叔父である愛知県警本部長の西之園捷輔、萌絵の叔母である愛知県知事夫人の佐々木睦子。和やかな会合。いつも殺人事件のことばかり話してる可愛い教え子のために?犀川がある素敵なミステリィは提供する。ある写真に関するその謎に各々それぞれの考えを述べるのだが正解を出したのは萌絵に使えている執事の諏訪野だった。

今回は犀川先生が萌絵の父が映った写真からそこに映っている不思議な石塔のミステリを提供してくれます。遺跡に関する話なので本当の意味の正解はないのですが萌絵の父が推測した考えが正解という感じで。

それぞれが出す解答、そして諏訪野が提示する正解、さらに最後のオチまでかなり綺麗な構図になっています。さすが富樫先生のおすすめその2。

S&Mシリーズですが殺人事件とかはなくいつも合い間に挟まれる萌絵ちゃんと犀川先生の素敵な会話の多人数版と考えていただければ。シリーズ好きの人もそうでない人も楽しめるようになってますね。

○マン島の蒸気機関

アイリッシュ海に浮かぶ島・マン島。偶然海外出張のタイミングが重なったためここで落ちあうことになった犀川創平と喜多北斗と大御坊安朋の3人とマン島に別荘を持つ西之園萌絵と佐々木睦子。会話のネタとしてマン島のシンボルであるスリーレッグスの話になり・・・

再びのS&Mシリーズ、しかも殺人とかではなくまた雑談部分です。この森先生独特の会話シーンが好きって人には堪らないお話じゃないかな?

ただですね、今回は石塔とは異なり、かなりイメージしにくいです。私何回も読み返したもん。こいつらは何を言っているのだろうって。

問われていることはそこまで難しくないんですが実体が掴みにくかった気がします。もちろん私の読解力不足が問題なんですが(笑)

それにしても、萌絵ちゃんが犀川先生にデレデレなのがいいですね。あ、いつもか。大御坊さんはいいとして、喜多先生には同情せざるを得ない。

○有限要素魔法

・・・どうしよう?これのあらすじをどう書いたらいいか分からない。

幻想小説です。としか言えないかなあ。『四季』の冬って感じの作品。言葉の畳み掛けで人の感情・思考を上手く表現してる感じですかね。

らしさはかなり感じれるんですが、どう感じるのが正解なのかが分からないです。

それが森作品って感じもしますけども。

○河童

フィアンセを連れてとある池までやってきた。彼が住んでいた村の面影はもうない。彼にとって感慨深いこの池も開発が進んでいる。彼は彼女に話す。彼が過去に経験した現実か夢かの区別すらつかない不思議な出来事について。彼の友だった其四朗について。

現実か夢か分からないというのはこの話を語る男の言葉。確かに不可思議な体験ではあるんですがよくよく考えると怖い話だったり。

だってこれ完全に最後の1週間前のあの二人の間で交わされたであろう言葉が引き金じゃんか。この男はしゃーないとはいえ、彼女は完全になんらかの意図を持って動いてるよねこれ。

って感じなのです。詳しくは読んでくださいねー。

○気さくなお人形、19歳

僕こと小鳥遊練無のもとにとある老人・纐纈からバイトをしないかという誘いがあった。どうやら彼と一緒にいるだけでお金がもらえるらしい。いかがわしく感じながらも一応引きうける練無。趣味ではない服を着てこいと言われたり、行ったら行ったでじいさんとただただ談笑するだけのアルバイト。どうやらこのじいさんは訳ありらしいのだが・・・

さて、まず主人公。男なん女なん?という疑問がこの作品中では改善されません。一応ですね、この子は男の子です、いや男の娘です。

詳しくはVシリーズをみてくださいな。保呂草さんと同じアパートに住む医学部生としてレギュラー出演してますので。

簡単に紹介すると女装癖がありファンシーな格好を好む。比較可愛らしい顔立ちをしており小柄で声も高いので女装と気付かれない。みたいな子です。以上ウィキペディア先生でした。

簡単に言うと主要登場人物のスピンオフですね。Vシリーズを読んだことなくても楽しめるけどね。

○僕は秋子に借りがある

僕のこれまでの人生で最高にミステリアスでトリッキィな思い出を教えよう。それは秋子という名の女の子のことだ。突然僕に近づいてきた彼女。学食で突然話しかけてきた。なぜ僕なのか?なぜ彼女は僕に近づいてきたのか?

富樫先生のおすすめその3です。うん、普通に面白かったですね。ホワイダニットですがいい出来だったのではないかなあと。

秋子のキャラがいいですね。こういう女の子は好きです。

「許して下さい」と言い続ける人間がこの世に存在する。真っすぐな感情だからこそ綺麗なんだと思う。この僕と一緒に私も願いたいですね。

秋子に沢山の幸があらんことを。

といった感じでしたがいかがでしたでしょうか。個人的にはすいすい読めてなおかつ面白かったという感想ですね。「小鳥の恩返し」で一気に盛り上げて最後の「僕は秋子に借りがある」までずっと夢中になったまま読み進められる感じです。

ではでは森先生の短編集、富樫先生の名解説付き。是非是非読んでみてくださいな。
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