誰がための刃 レゾンデートル

前回のラノベの記事で初コメがつきました~。超嬉しいです。もちろんすぐに記事も読まさせていただきました。なるほどと思いつつ投稿時間をみて驚愕。私が駄文の下書きとにらめっこしてた時じゃないですか。本当にびっくりしました。偶然ですよ、もちろん(笑)。

さて今回は『誰がための刃 レゾンデートル』です。

第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。広島県福山市といえばもちろん新本格の祖、島田荘司先生の故郷ですね。そこで開催されている島田荘司先生自身が選考に参加している文学賞です。巻末にも選評が載っています。島田先生といえば金田一少年の事件簿絡みの事件で有名な処女作『占星術殺人事件』からずっと第一線で活躍されている日本ミステリー界の第一人者。その先生が絶賛している作品とあって購入前から胸の高まりが止まらなかったです。もちろんすぐ読まさせていただきました。って訳で今回はこの作品の感想をば。

まずは簡単な紹介から。

末期癌を宣告され自暴自棄になる外科医。彼に目を付け「相棒」として接触を図る連続殺人鬼。死を前に超えてはいけない一線を踏み越えようとする外科医はとある事件に巻き込まれた少女と出会う。彼女との出会いは彼の心境に変化を与え、残り少ない命を賭けて彼は最後の戦いに赴く。・・・こんな感じでしょうかね。

実は今の紹介は私の中で微妙かなあと思う描写が一か所あるのですが、一応間違っている訳ではないと思うのでこのまま行きましょう。行為としては・・・ですが心情的にはまだ・・・って感じですので、私の感覚だと。

さてストーリーだけ見ればよくありそうな展開ではあります。ふとしたことから出会った少女を守るために闘う主人公。王道じゃないですか。あくまでココだけ見れば。実際はこの作者さん、知念実希人先生にしか書けないであろう物語です。私は作者さんのことを大体~先生とお呼びしますが、この方に対してはもう一つの意味合いが。知念実希人先生はお医者様でもあるのです。なので医療関係の描写は他の作家さんには多分描写できないだろうクラスに素晴らしいです。

もちろん文学作品としてもプロットが丁寧で描写が細かく、惹き込まれる。その場面場面を映像として鮮明に感じれる。登場人物が確かに息をしている。そんな感じの作品。

では感想を。

ハードボイルド系の作品ですね。この手の作品は実はあんまり読んだことがないのです私。いや、読もうと思えばすぐにでも読めるんですが。父がハードボイルド好きなんですよね。で、本棚に一杯その手の本が並んでいると。ただ人間というものは不思議なものですぐ出来ることはなぜかやらないようになっているのです。しかも家にある本を購入したくないのでこの手の作品は避けるようにしてましたから私にはあんまり縁がなかったといえます。強いて言うなら読んだことあるのは映画化記念で買ったススキノ探偵シリーズの『バーにかかってきた電話』くらい。あれは面白かったです。

ほいでそんな私のハードボイルドに持つイメージは登場人物がかなり積極的に行動する、だから序盤は結構色々話が広がる、なおかつ結末までに一本の作品にまとまるイメージ。本作ももちろん綺麗なプロットで描かれていました。大まかに分けると二つの事件と主人公サイドの人間関係の3つが主体で進んでいくのですが、最終的には実に鮮やかに一本のストーリーになっていました。

形式は次々に焦点を当てる人物を代えていくいわゆる群像劇。似ている作品は『バトルロワイアル』ですかね。あ、あくまで私が感じただけですけども。少なくとも形式的にはとても似ている気がします。視点変化による臨場感の付加、シリアスシーンの間に含まれる心温まる情景や息の抜ける微笑ましい展開などなど。ちなみにこの2作品の違いとしては本作は描写を細かくすることでリアリティをつけていて、バトロワさんは文章の長短、もっというと詳しく書くとことあっさり書くとこの2種類を巧みに使い分けて緩急をつけてるところかな。どっちがいいとはいえないですね。どっちも素晴らしい出来なので。

形式も素晴らしいものがありますが、本作の特徴はやはり心理描写の深さにあるのではないかなと思います。これが他の作品にはない生々しいほどのリアリティを感じさせます。医者の心は医者にしか分からないし、患者の心を一番読みとれるのも接する機会が多い医者なんですよね。だからこそリアル、怖いくらいに。

ストーリーもかなり面白いです。禍々しいほどの狂気、色で表わすならどす黒い感じの中に一筋の希望が残る、そんな話。この話ならベストなラストだったと言えるでしょう。まあ、どのみち主人公は末期癌なので生き残って幸せに暮らすなんてハッピーエンドにはできませんでしたが。ちょっとだけ苦い、けど救いのあるそんな結末。内容はとても重いのに読後はさわやかな気持ちになれる作品でした。

内容だけ見るとかなり重そうですが、かなり読みやすくまたとても楽しく読める作品になっています。是非手に取ってみてはいかがでしょうか?

あ、追加事項で読む際はグーグルとかの検索エンジンを手元に置いとくといいかも。若干医療の専門用語が入っていて一般人は調べないと分からないものもありますので。一応丁寧に紹介はしてくださっていますけども。念のため。
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まとめtyaiました【誰がための刃 レゾンデートル】

前回のラノベの記事で初コメがつきました~。超嬉しいです。もちろんすぐに記事も読まさせていただきました。なるほどと思いつつ投稿時間をみて驚愕。私が駄文の下書きとにらめっこ...

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新作も読みやすく、リアリティが半端ない~

新作「ブラッドライン」はどんでん返しがすごくてついつい最後まで読んでしまいました。
前作に引き続き医療ミステリー作品です!

birthday-energy.co.jp/
ってサイトは知念さんの人生にまで踏み込んでましたよ。専業でないところに良さが出てるんだとか。今後に期待です!
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