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斜め屋敷の犯罪

まさに本格ミステリという一品。驚愕とともに振りかえってみると至る所に伏線が・・・。それはまるで読者をあざ笑うかのように。

というわけで今回は島田荘司先生の『斜め屋敷の犯罪』です。島田荘司先生自体はこのブログに何度か出てきてるんですがその作品を扱うのは本ブログ初です。まあ、島田先生に関しては書かなくてもいいよね?日本ミステリの第一人者でございます。

というわけで早速作品紹介です。

北海道、とある富豪によって建てられた建物。微妙に傾いて作られた屋敷と塔。中は複雑な作りをしており簡単な迷路のようになっている。金持ちの道楽で作られたようなこの奇怪な屋敷にクリスマス休暇を楽しむため招待された客人が集まる。北の大地の吹雪の夜に惨劇の幕があがる。・・・こんな感じかな?

密室、雪を使ったトリック、そしてあの超大仕掛けのメイントリック・・・まさに本格ミステリ、ですね。

探偵役はもちろん御手洗潔でございます。日本の誇る名探偵たちの中でも相当知名度高い部類に入るキャラクターかと思います。そりゃあ「ジッチャンの名に懸けて」のジッチャンとか苗字も名前も名探偵の代名詞になっているような20の顔を持つ怪人を相手取ったあの方に比べれば一般知名度は高くはないでしょうが・・・。

ただね、今回の御手洗潔の登場は作品の第3幕から。かなり遅くなってるんですよね。どっちかというと安楽椅子探偵みたいな役回り。いや、相当アクティブに動いてはいるんだけどね。事件発生→呼び出されるって形だからね。

だから警察組が不憫で不憫で。間抜けな推理を披露したりね。もう、無能という言葉がぴったり合うような。だって1つ目の事件→警察到着→2つ目の事件とかいう・・・。まあ、全てが終わった後だとどうしようもないと分かるんだけどね。ただね・・・

「動機があるものがいない。だからこの中に犯人はいない(キリッ」

アホじゃないですか?確かに動機から犯人を絞ろうという試みは正しい捜査だと思うんだけど動機が見当たらないから犯人なんていないという風には考えちゃいかんでしょ。外部犯はほぼあり得ない。この状況下で殺人が起きちゃったんだからさ。

実際ね、動機なんてなんでもいいんですよ。実は知り合いだったという後から付け足すパターンだってあり得るわけですしね。衝動的に殺しちゃったとかもありますし。崖の上でラストシーンが描かれる2時間サスペンスでは定番ですよねこれ。一生懸命捜査して「実は・・・!?」を探すパターンです。

大切なのは論理性なんですよぉ。少なくとも推理小説というジャンルにおいては。動機なんて横に立ってたから鬱陶しかったのででも生理的に受け付けないでも誰でもいいから人を殺してみたかったでも論理によって真相が解き明かされる、犯人が分かるという基本原則さえ守られていれば問題ないんだよね。

ここでやっと本題。本作は読者への挑戦が差し込まれています。だから当然フーダニットではあるんですが、実質はハウダニットがメインの小説ですね。もちろん前述したトリックの要素が大部分を占めているからそれの解明が本筋というのもあるんですがそれよりもあえて犯人は分かるような書き方をしているのかなと。

明言はされていないです。ちゃんと論理で犯人を絞り込めるようになってますしね。でも私にはやっぱりこう聞かれてるような気がしたんです。

「犯人はコイツです。さて、どうやったか分かりますか?」

多分意図してこういう構造にしてるんでしょうね。トリックで勝負するために。

思い浮かべたのはこんな感じだったかな。

「え~、今回はとても難解な事件でした。私としては犯人はあの人しかいないと確信しているんですが彼には鉄壁のアリバイがあり殺人を犯す動機もない。では犯人は一体どうやってこの不可能を可能にしたのか。んふふ・・・ヒントはこの屋敷・・・古畑任三郎でした」

うん、なおヒントには多数の意味がある模様。そのうちの1つに気付いた時私はこれはやられたわと思わざるを得ませんでした。本当に綺麗でした。終幕からエピローグまでのラストは張り巡らされていた伏線を一気に回収しきるので。

なぜ?どうやって?それは複数の理由。でもたった一つの目的。

さてちょっとだけ意味深な言葉だけ残しつつ今回の感想は閉めさせていただきます。ではでは、日本ミステリの最高傑作のひとつ、是非手に取ってみてはいかがでしょうか?
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