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女王国の城

最近変化球ばかり打ち続けていたからなのか、それとも本当に誰にも触れられないような剛速球だったのか・・・分からないけどそのストレートの美しさに感動してしまった作品。という詩的表現。

はい、今回は有栖川有栖先生の『女王国の城』です。15年以上の間を開けて満を持して登場した学生アリスシリーズの最新作です。そして、本格ミステリベスト10で1位に輝いた先生の最高傑作でもあります。(本当は名作と名高いこれの前作『双頭の悪魔』の方を先に読みたかったのは内緒です。)

今まで本ブログで扱った作品は作家アリスシリーズでしたが、今回は学生アリスシリーズを読むことにしてみました。ちなみに、先生のデビュー作は学生の方の一作目なのでこっちのシリーズの方が原点なのだろうと思われます。

ちなみに二つのシリーズの関連性は『46番目の密室』の感想で触れていますのでそちらを参照ください。こちらですねー。

イメージとしては作家アリスのアリスの立ち位置は完璧に相棒役、ワトソンポジションなんですが学生アリスはアリスが主人公の作品というイメージ。もちろん、探偵役は違う人なんだけどね。学生シリーズには冒険小説なイメージがあるのでそう感じるのかも。視点がアリスだけではないのもポイントなのかな?

じゃあ、作品紹介です~。

アリスが所属する英都大学推理研究会、通称EMCの部長である江神がアリスたちに行き先も告げず消息を絶ってしまう。EMCの面々は彼の下宿に残された情報を頼りに彼が向かったと思われる新興宗教・人類協会の聖地である神倉へ。そこで江神の無事は確認するが思いもかけず殺人事件に遭遇し、囚われの身になってしまう。決死の脱出と真相究明を試みる中、さらに惨劇は続く。閉ざされた女王の城の中で。・・・こんな感じでしょうか。

ザ・クローズドサークル。これぞ王道の本格ミステリ。そう思わせてくれる作品ですね~。ド直球です。読者への挑戦が添えられた作品ですがまさに理詰め、詰将棋みたいな作品でした。ちなみに私は解けませんでした(笑)

もちろん探偵役である江神が解き明かす真相だけでなく、物語全体が、表現の全てが結末へ向かっているという「美しい」という言葉がこれほど似合うストーリーもないやろうなあと思わされる出来です。

最初はですね、「めちゃ長いやんこれ」とか考えながら読み進めてたんですが(だって最初の殺人が起きるまで200ページくらいあるんやもん)終わったみてひとつも無駄な描写がないことに感動ですね~。あえて言うなら蘊蓄くらいかな、省いてもいいかなと思えるのは。でもこれも舞台の特殊性を際立たせるのに一役買ってるんですよね。

さっきも書きましたが作家アリスに比べると冒険要素が追加されているからかアリスが少し幼い印象を受けます。いや、超博識なんだけどね。実際EMCはなんやこいつらと思うくらい何でも知ってやがるんですが、作家アリスは少し大人の落ち着きがあるのに対し、結構行動的な印象を受けました。置かれた状況が違うからかもしれませんが。

まあ、別人設定だからね、しょうがないね。

またキャラクターも魅力的ですね。一応メインはアリス視点なんですがときたまEMCの紅一点、マリア視点になるのがまたよかったです。視点を二つにすることで同時に起きた二つのことを書けるというメリットももちろんあるんですが2人の状況の感じ取り方、表現方法の違い等などでそれ以上の効果を発揮している感があります。うまく言葉にできないんですが。

で、探偵役の江神がまたいいですよね。一学生でありながら現場で最も落ち付いて、時には大胆に行動し真相を究明する。ラストの推理のお披露目シーンもよかったですね。論理的に、それでいて鮮やかにひとつずつ謎を解いていく。そして、読者の私ですら読み進めて興奮した「今しかない」これぞ本格推理の名探偵といった感じです。まさにお手本。

さらにさらに推理劇で暴かれる真相以外にラストにもまだ明かされていなかった謎を用意しており、それらを片付けることで全ての伏線を回収しています。あの表現はこのためにあったのかとか何故この人はあんな行動をとったのか等が明らかになっていきます。それらは決して探偵が拾い残したピースを後付けで説明した訳ではなくこのラストのために事件があり、推理があったのだと感じ取ることが出来ます。

うん、こんな感じかな。正直入城あたりからは一気に読まぜるを得ませんでしたね。それくらい刺激的で魅力的な作品でした。THE 本格ミステリといった感じ。

さてさて、有栖川有栖先生の至高の名作、是非手に取ってみてはいかがでしょうか?
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