密室の如き籠るもの

さて、長らく更新が途絶えていましたが最近読書してなかったからなのよね。これじゃ読書が趣味っていえないね~。

ただ、今日は一気に読みだめしましたので今後は更新ペースが上がるかも?

なんて宣伝しつつ今回は若干前回予告していた『密室のg・・・こと『密室の如き籠るもの』です。「みっしつ」じゃないよ、「ひめむろ」だよ。実際このタイトルだけで購入したといういわゆるパケ買いのパターンだったんですがかなりの良作でしたね~。

本作は三津田 信三先生の刀城言耶シリーズの短編4作を扱っているものです。とはいえ、表題作だけで200ページ越えという・・・。実際は短編3つに長編ひとつという感じ。3つのリズムに慣れると異様に長く感じるんですよね~。なので読むのに時間がかかりました。ものすごい面白いんだけどね。

ではでは恒例の作品紹介~。

怪奇小説を扱う流浪の職業作家・刀城言耶。彼が怪奇を求めて取材旅行へ出かけると何故か高確率で厄介事に巻き込まれやむなく事件に関わり、結果的にその核心を暴き解決に導く。論理的解決に至るのか、それとも不条理な結末が待っているのかは分からない。が、時には解決を依頼され、時にはやむなく事件に介入し、時には知らぬ間に真相に辿りついている。本格ではなくどたばた変格推理譚。・・・こんな感じかなあ。

設定が面白そうでしょ?論理的思考だけでなく怪奇現象が存在する、しうる、そんな前提で進むお話ですね~。そこがこのシリーズの面白いところ。

もちろん、論理の部分がしっかりしてるから面白いんだけどね。しっかり伏線を貼ってしっかり回収してる、けど、怪奇の影が見え隠れする。そんな作品です。実際怪奇としか説明できない描写が残されてたりしますからね。

うん、一応短編集なので短編ごとの感想を述べていきましょうかね~。

・首切りの如き裂くもの

このシリーズの特徴だと思われるんですが最初は刀城言耶は出てこないです。基本は登場人物の誰かが経験した怪奇という前半に対して探偵役である刀城言耶が論理的に考察する後半という構造ですね~。それが最も分かりやすく書かれているのがこの「首切りの如き裂くもの」です。

ホラーテイストの前半から一転コメディタッチで描かれる関西弁編集者(この子がまたいいキャラなんだよね)と巻き込まれる作家さん。そして比較的あっさりと解決しちゃいます。トリック自体はさすがに実現できるんかこれ?といった感じのものなんですけども。

そして、やはり怖いのが怪奇を疑う余地は残されているところ。これを完全否定しないのがこの小説の特徴ですね~。

・迷家の如き動くもの

本作収録作品では個人的に1番面白いと思っています。機械的なトリックなど本格ミステリ要素よりも人物の証言から答えを導き出す簡単な論理ゲームの形のこの「迷家の如き動くもの」が本シリーズにはあってる気がしますね~。

これは推理可能だと思います。っていってる私はちんぷんかんぷんでしたけども。

一押しは掛け合いですね。ずっと会話描写なんですけどひとりひとりの証言が小気味よく続いていくので読みやすいと思います。まあ、説明してる時は長々と台詞を吐いてるんですけども。

・隙魔の如き覗くもの

なかなか受け入れがたいトリックを使ってますが、一番ミステリしてるのがこの「隙魔の如き覗くもの」ですね~。

ちなみに私がえ?そんなんありえるん?って思っただけで普通にいいトリックですよ、多分。本格って感じがします。そのトリックは実際には使われへんだろっ!って突っ込めるところとかが(笑)

最初の描写がちょいくどい気がしなくもないですかね。怪奇の説明なんで必要なのかもですがこれはそれ+αで各容疑者の動機についても触れられているので文章量は少ないはずなのになぜか無駄に長く感じるかも。

もちろん、面白いですよ。一応念押ししとくけど。ただ、少し気になっただけですね~。

・密室の如き籠るもの

長え。簡単にいうとこれ>>>>>>>>前3つです。ただ終わってみると確かに本作はこの文章量が適当なのかなあと思える作品ですね~。

ただ、なかなか面白い推理劇でした。あの名作を彷彿とさせる刀城言耶の心遣いがにくい作品です。

本作の他3作との違いは怪奇とされているのが現象自体ではなく、ある人物の存在だということ。そして本筋の部分で怪奇の仕業である可能性が最後まで残ることですね。

他だとなんだかんだいいながら「あ、それは論理的に説明できますよー」とか言いながら大筋は初っ端から怪奇を否定しますからねー。ただ余韻として怪奇の部分を残しているだけで。というより答えに行き着くのが本作ではかなり終盤だから・・・なんですけどね。

このシリーズはある怪奇に対して話を聞いて刀城言耶が解決するという安楽椅子探偵要素が強いのですが、「密室の如き籠るもの」は実際に殺人事件に遭遇し、また話し始める段階では答えに行き着いていないという少し変わった事情があります。気づき→配慮という展開も良かったですね~。刀城言耶という主人公がどういう人物なのかを表したシーンになっています。

こんな感じですかね~。結構軽い気持ちで読めるので時間があまりとれないという方にもお薦めですね~。ただ、表題作だけは少し気合をいれないといけない量ですけども。

さてさて、ホラー要素のある夏にぴったりの本作、是非手に取ってみてはいかがでしょうか?あ、もちろんですけど怖がりの人にもお勧めですよ~。要素あるだけで基本はミステリなので。
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