密室殺人ゲーム王手飛車取り

これまた最近ツイッターで触れた作品です。密室殺人ゲームシリーズ。

今回もまた珍しくシリーズで読んでる作品でして一応現状では1,2を読み終わってて3は既に手元にあります。今週中には読んじゃう予定です。

ただですね・・・この作品個人的に1と2で評価が全然違うんですよね。なので分割して感想を書こうかなと。

と、いうわけで今回は一作目に当たる王手飛車取りについての感想をば。

有名なのは多分2の方です。なんといっても第10回本格ミステリ大賞作品ですからね。でもはっきりと断言します。確実に王手飛車取りの方が面白いです。まあ、あくまで私が読んだ場合そう感じたってだけなんですけども。その理由についてはおそらく後日に2.0の感想で触れる予定なのでここでは割愛しますね~。

では簡単なあらすじを紹介。

あるAVチャットにて。互いに顔も名前も知らない5人によって夜な夜な行われる推理ゲーム。お互いが知っているのは画面に映し出されるキャラクターと5人全員がある種常軌を逸した趣味を共有していること。1人が出題者となり、残る4人が解答者としてその謎に挑む。よくあるミステリマニアの集い。ゲームで出題される問題は出題者が実際に犯した殺人であるというその一点を除いては・・・。こんな感じですかね。

もちろん前回触れたパズルの形式的な面白さは満足できる出来です。短編連作ではあるものの先の伏線が至る所に置いてあり一本の作品を通しての完成度も高いです。あ、もちろん一話一話もしっかりしてますよ~。一話ずつ読んでも面白い。一本丸ごと一作品としても素晴らしい。そんな作品。

そしてパズルを解く段階。これもかなりレベルの高い出来です。

まず前提条件としてミステリの基本であるフーダニットが「基本的には」使えないんですよ。だって出題者が実行してる殺人だから。その縛りを感じさせないための工夫が素晴らしいんですけど。

使用してるトリックはそこまで突飛なものはないですね。あくまで基本的なものでした。ただし本作におけるメイントリックはなかなか趣深いものなんですけど。ミステリのトリックは大体のものは先人の作品のどれかに当てはめられてしまいますからね。先人たちは偉大なのです。トリックの種類で作者を驚愕させる作品なんて現在ではほぼ無理です。出尽くしてるってのが現状ですからね。だから既存のトリックをどういう風に魅せるか、ここが作者の腕の見せ所になるわけです。そしてその魅せ方が素晴らしかった。

ミステリの探偵役は基本ご都合主義の超万能な人ですよね?最近の作品ではそうでもないかもですが。そして原則一人です。そんな万能な人間を何人も出すわけにはいかないですからね~。ま、脇を固める相棒みたいなポジションのキャラはいますけどね。でもこういうのはあくまで探偵の優秀さを引き立たせるのが役割なので。あくまで謎を解く人は一人が基本です。

ですが、この作品は解答者=探偵役が常時4人いるんですよ。そして万能ではないんです。とんちんかんな閃きをしたり、出題者の用意したミスリードに見事にはまってしまったり。そんなこんなで議論を重ねながら結論を導きだす、そんな形式をとっています。あくまで基本的なトリックであるにも関わらず、あえてミスリードな推理をさせることで読者を真相から遠ざけているんですね。まあ、誰がとんちんかんなことを言い出すかある程度は役割が決まってるんですけどね。

それでですね、この小説で特筆すべきはミスリード役が完全に間違ったことを言っている訳ではないことです。大部分間違っているけど実は一部正解を言い当てているパターンが多いんですよ。ミスリードの中にも伏線を置いている点がこの作品の面白さを際立たせているのかなと、そんな風に感じました。

そして何よりも一番素晴らしいのがメイントリック。ここでこれについて話すと壮大なネタバレになるので伏せますけど、この章が終わるとあなたはきっとこう叫ぶはずです。

「ああああああああああああああああああああああああああああああ」って。

で、次の瞬間にはこう悟る。

「ああ、だからこういう構成で話が作られてたのか」って。

そう、うすうす感じ取れるようにはなってるんです。ただそれでも不意を突かれる。そんな感じ。

大体いいたいことは書いたかな?多分私の拙い文章力では魅力を最大限に伝えるのは無理だと思います。実際手にとって読んでみてほしい。で、何回も読み返してほしい。私もまだまだ読み込みが足りてませんけどね。

個人的には私の人生の中でも屈指の名作だと思ってます。是非一読してみては?

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