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殺人方程式―切断された死体の問題―

さて今回は綾辻先生の名作、殺人方程式シリーズの一作目にあたる切断された死体の問題についての感想を書いていきましょう。

1989年に発表された小説ですね~。平成さんと同い年。でももう平成さんも24歳。時代の流れを感じますね~。ちなみに私は平成生まれですよ?ぎりぎり、ですけどね~。うん、ほぼ同年代なんだ平成さんとも本作とも。まあ、私が読んだのは講談社文庫版なので2005年発売なのですけれども。

綾辻作品を扱うのは『どんどん橋、落ちた』に次いで2回目です。が、個人的に綾辻先生は好きですので実は紹介してないだけで過去に結構な数を読んでたりします。全部じゃないですけども。いずれこのブログでも扱う予定です。ちなみに、具体的にいうとおそらく近いうちに綾辻作品を立て続けに扱う予定があったりなかったり。次は館にしようと思ってます。やっぱり綾辻先生といえばって感じがするものね~。

じゃ、早速作品紹介から~。

あるマンションで見つかった首と左腕が切断された死体。死体の身元はとある宗教団体の、しかも先日に教祖が亡くなるという事件が起こった、新教祖に選ばれた男であった。警察の捜査では現場に残された証拠、証言の数々から殺された男の息子が容疑者として扱われる。が、ひょんなことから事件を知り、それに疑問を抱いたとある刑事の双子の兄が事件捜査に乗り出す。・・・うーん、こんな感じでしょうかね。

さて本作はやはりフーダニットではあるのですが、綾辻先生には珍しくハウダニットがメインとなっている作品です。ちょっと違う?このブログで扱った作品で似ているのは『46番目の密室』ですねー。ハウダニットを解かないとフーダニットも分からないって感じの作品。ただ殺害方法はひとつのピースであってそれが分かっただけだと犯人には辿りつけないところなんかは似てますね~。

講談社文庫版の綾辻先生の解説ではここまで読めば論理的に犯人を導き出すことは出来、なおかつ本作最大の謎である死体の切断についても論理的に説明できますと書いてあったりします。うん、出せるとは思う。ただ細部まで正解を出すなんていうのは至難の業ですけどね~。

ちなみに私は解説読まずに普通に読み進めてましたが一応少し考えながら読んでみました。うーん、自己採点だと40点くらいかなあ、私の推理。大まかな概要と探偵役が説明してくれる前半部分は分かったんですが、メインとなっているトリックの詳細、そして本作最大の問題である切断の理由と犯人に関しては全く分かりませんでしたね。ファールで2球粘って3球目の外角ストレートを見逃し三振って感じです。

さすが綾辻先生といった感じですね~。正直またやられたなあといった感じです。ただばりばりの本格推理なんですが他の作品とは一線を画す気がするのも確かです。その理由は・・・

社会派推理のような印象を受ける設定のストーリーだから

ですね。ってか正確には新本格というジャンルではない気もします。これは島田荘司先生が挙げている新本格の条件?みたいなものの中に「閉鎖空間」なんて要件があるからですね~。孤島でも雪の山荘でもないですし。いやでも一応は閉鎖された空間なのかな?密室という言葉も合わない気がするし・・・。うーん、どうなんでしょう。

物語の冒頭から愛人やら被害者に対して恨み等を持った描写やらが出てきますからねー。しかも探偵役は刑事の双子の兄ですし。当然警察の捜査を描いてる部分も多々ありますしね~。これだけ見るとなんとなく社会派推理な印象を受けます。ただ、私は本格推理としてこの作品を楽しみましたけどね~。

さて、こういう捉え方の違いは講談社文庫版の乾くるみ先生による解説でも触れられています。余談ですけどこのブログ始めて何が変わったかって言われたら解説読むのが楽しくなったことが挙げられますね~。自分の見落としていたことに気がつかせてくれたり、自分と同じ考え方をしていたり、全く違う捉え方をしていたりとなかなか楽しめたりします。ちなみに今回の乾くるみ先生の解説も名解説なので一度読んでみてください。ただ、ネタバレ含みなので本編読了後に読むのが無難ですが。

解説前半はこんな感じ。綾辻先生はデビュー作のあるキャラクターに社会派推理否定と思える発言をさせている。→実際はここまで偏った意見ではないようだが。→本作冒頭は社会派推理のノリ、おいおい大丈夫か?→大丈夫だったああああ。

まあ表現は大分私流に直しましたがこんな感じにまとめてました。で、ネタバレ含む解説後半へと続いていくのですがこっちはあとで触わることにして(っていってもネタバレする気はないですが)、次に他の人の読書レビューについて触れてみましょう。

ブログはじm・・・うん、くどいね。とにかく人の感想にも興味を持つようになったんですよね。で、今回も読み終わった後少しだけ覗いてみました。

絶賛組と微妙だったという感想の人がいますねー。二分されているといった印象を受けました。え?私?もちろん絶賛派ですよ~。さすが綾辻行人っていうのが私の感想ですから。

じゃあ、なぜこんなに感想に違いがあるのでしょうか?

私なりに考えてみたんですが、捉え方の違いではないかなあと思います。本作は最初の社会派的描写をどうとるかで見方が変わるのではというのが私の考え。私は本格推理としてこの作品を読みました。だから正直人間関係はあんまり気にしなかったんですよね。伏線の張り方と回収の仕方を楽しんだ感じ。

でもですね、これを社会派推理として読むと物足りないというのも分かります。だって薄いもん。他の社会派推理に比べたら。松本清張先生とか宮部みゆき先生とかと比べるとどうしても。

あと本格推理を期待して読み始めた人にも違和感があったはず。最初の描写の必要性が微妙ですからね~。だからこの部分をどう捉えるかによって本格推理として読んだ人達の間でも差異があったのではないかなあと思います。

私が考える社会派推理と本格推理の一番の違いは「動機」を重視するかしないかだと思います。社会派推理は人間関係の描写が肝だから動機はしっかり描かれていなければならない。一方本格推理は動機よりもどうやって、だれがという謎を楽しむものだから動機自体は実際何でもいいのかなあと。そういう意味で本作は各々に動機があることをが描かれていますが、やはり少し物足りないという印象を受けるのかもしれません。

それに、伏線の張り方も異なりますしね~。本格推理は読者にそれと気づかせないように伏線を張らないといけない。そうしないと謎解きを楽しめないから。でも社会派推理として読むと確かに伏線が薄いようにも感じますね。この分かりにくさが本格推理における作者の技量だと私は思うのだけれど。

「ほら、ちゃんと記述はしてますよ。それを拾えれば解答まで辿りつけるのに」

って感じが好きなんですよ。私はね~。

あ、あと警察の捜査なのにひどすぎない?って感想がありました。これは、なんとなく確かにとしか言えないかも。クローズドサークルなら本職の人もいないし、道具もないからそれでいいのだけれど。血液検査とかはあるだろうし、証拠品の見落としとかはないでしょうし。

でもこれ20年以上前の作品だしね~。今はドラマとかで扱われるから読者も皆知ってるけど、当時はそこまで知られていなかったから書かなかったとか?でもでも、ホームズはやってるのよね、科学捜査。

うーん、一番説得力のあるある種言い訳は科学捜査は描写のないところではしっかり行われていたけど、作中では必要ない情報だから省いた、証拠品見落としは重大な証拠というわけではないし場所的にも警察が何度も入れるところではなかったから仕方ないって感じになるのかな。

まあ、このへんに関しては読んだ人が独自に解釈すればいいのかな。

うん、長々語ったけど実際はあんまり意味ないかもね~この議論。その作品をどう捉えるかなんて人それぞれだからね~。

ではでは、ようやく作品解説の後半戦に触れましょうか~。

乾くるみ先生の解説ですが、分かりやすくてなおかつ作品の重要なところをしっかり押さえてるといった感じ。最後の部分に関しては私は全く気付いてなかったのでそんな意図も込められてたんだあと感心させられましたね~。

そう、全ての描写に意味はある。そしてその意図に気付ければ、答えは出せる。全ての行動に理由はあるし、読者が解答を知る前に解説することも可能ではあるはず。でも、無理なんですよねー。巧妙、その一言に尽きる作品ですね~。私みたいに大まかには気づけるのかもしれません。でも、細部までしっかりと解説出来るはずなんですよ、しっかりと理解出来ればね~。

ただひとつだけ挙げるなら、最後のエピローグだけはどうあがいても辿りつけない気がしますけどね~。その謎は本来候補者を絞りきれないはずだから。一応伏線はあるんですけどね。

ただ何度もいいますがさすが綾辻先生といった感じの作品。好き嫌いは分かれる気がしますが、私は大好きですし、本格好きにはたまらない作品だと思います。是非手に取ってみてはいかがでしょうか?
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まとめtyaiました【殺人方程式―切断された死体の問題―】

さて今回は綾辻先生の名作、殺人方程式シリーズの一作目にあたる切断された死体の問題についての感想を書いていきましょう。1989年に発表された小説ですね~。平成さんと同い年...

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