笑わない数学者

3日連続更新!まあ、その代わり来週更新ないかもなんですが。

今回は初夏を彩る新本格祭り(笑)のラストです。ってか『どんどん橋、落ちた』を見つけた時に一緒に買った作品が全部新本格だっただけなんですが。フィナーレを飾る作品は少し毛並みの違うS&Mシリーズ3作目『笑わない数学者』でいきたいと思います。

本ブログで扱うのは2作品目ですね。もともとこの作品だけは近いうちに読もうと思ってたので。『すべてはFになる』あとがきで作者さんが推してた作品ですからね。

それにしても早いって?いえいえそれは萌絵ちゃんに会いたかったからということで。あ、もちろん犀川先生にも。お二方とも魅力的なキャラクターですからね~。まあ、1作目を読んで一番印象に残るのはどうしてもあの人なんですが・・・。

さて、今のキャラクターという言葉、実は重要なキーワードだったりします。私も最近ちょこちょこと調べただけなんですけど綾辻先生、有栖川先生は新本格の第一世代と呼ばれるのに対し、森先生は新本格の第二世代と呼ばれます。で、その明確な違いがキャラクターです。あとあと駄文で扱うかもしれませんのでここでは軽めに・・・

第一世代はミステリを好む人の集まりであり(もっと簡単にいうと大体の人がミステリー研究会出身)、厳格に本格推理の決まりごとを守る人たちのことですね。詳しく知りたい方はロナルド・ノックスの十戒で検索してみましょう~。

一方第二世代はミステリも読むけど、他のジャンルも読んでいる人たちの集まりですね。ゆえに少しだけ脱線というかミステリではない要素を含む作品が多くなってくる世代です。

一応第三世代なんて言葉もあるんですがこちらは明確に定義付けされてないようなので保留でお願いします。

ちなみに第二世代の代表作家は森先生のほかに憑物落しで有名な京極夏彦先生が挙げられます。ほら、なんとなくキャラクターが重要ワードって意味が分かりませんか?第二世代はその作風もあってミステリでは相当な部数を売ってる世代ですね~。

はい、毎度毎度長々と語りますがそろそろ作品紹介の方へ行きましょう。

12年前のクリスマス、たった一晩だけ消えたオリオン像。それが三ツ星館の謎。天才数学者の謎かけ。そしてこの謎を解いたものを跡取りにするという。それから12年、誰にも解かれることなく、また触られることもなかった問題。そんな謎を抱いた三ツ星館に犀川創平と西之園萌絵が訪れたクリスマス、再び奇跡が起き惨劇の幕があがった。・・・こんな感じかなあ。

まず読んでて思ったこと。「おいおい、またクリスマス絡みか。」

『46番目の密室』もクリスマスなんですよね~。そしてかの有名なS&Mシリーズ、当然密室物だろうと思ってました。館の図面が最初に載ってましたしね。2回続けて初夏にクリスマスに起きた密室物を観ることになるとは思ってなかったので、少しびっくり。(この作品は買うの決定してたので立ち読みしてなかったのです。)

次に萌絵ちゃんが2年生になってることに少しだけ驚き。あれ?一作目が1年の時の夏だった気がするからもう1年以上経ってるやん、って感じ。でもでもよくよく考えると間にもう一作あるし、半年に一回くらいのペースで殺人事件に遭遇してるって考えたら妥当かなあと。まあ、殺人事件に遭遇って段階で非現実だと思うけれども。

ただS&Mシリーズって全10作のはずだから時系列的にもうちょい詰め込まないときつい気もしますが。どうなんだろ?時系列順に並んでる訳ではないのかな?

また脱線。いかんいかん。さて本作については実は私、メイントリック、もとい三ツ星館の謎は結構早い段階で分かりました。多分これだろうなって。いや、似てるトリックを知ってただけですけどね。今回はケータイのゲームですね。伊綱ちゃんと生王さんといえば分かるでしょうか?まあ、ゲームの方はただの推理で実際は違うトリックが使われてたんですけども。発想はほぼ一緒でしたからね~。

この目に映るトリックのインパクトだけなら『すべてはFになる』の方が上だと思います。私は、ですけど。ただ、ストーリーの出来はこっちの方が遥かにいいかと。メインふたりの関係、作者が意図する別の狙いなどなど。

もちろん、プロットも綺麗ですし、伏線の置き方、回収、結末までどれをとっても高いレベルでまとまっています。そのうえでミステリでない要素もうまく含めている作品ですね。本格にあまり興味のない方でも楽しめる作品になってると思います。

そして少し含みを持たせたラストもいいですね。少しだけ読者に投げかけるんです。作中の解はあくまで「不定」です。あなたは答えが出せますか?って。

さっきね、メイントリックって表現をしたんですがちょっと語弊がありますね。本作品の最大の謎は全体を通じて作中では答えが出せず、ラストの描写を知ることのできる読者にのみ推理が可能な作者さんからのこの謎かけですからね。

ちなみに(ちなみにって口癖みたいになってるなあ私)今の「知ることのできる読者」も重要なキーワード。・・・らしいです。なぜ「らしい」なんて表現を使っているかというと私は気付かなかったから、ですね。

実際私は作者さんが意図する別の狙いを普通に見落としてたんですよね。読了後作者さんの浮遊工作室ってサイトを観てみたんですよ。このサイトは『すべてがFになる』のときにも観ていたので。で、例の「逆トリック」ですよ。

でね、最後の謎かけ自体は気になってたんで多分これのことだろうと思いちょっと考えてみたんです。それに関するヒントも蛇足として頂いてましたからね。ほいで一応自分なりの答えを出したんですよ。でも答え合わせ出来ない。だから同じような感想書いてるサイトを少し巡ってみました。

すると、この謎かけを解いてるサイトとは別に違う点に注目しているサイトがあったんです。この違う部分に着目しているサイトを読んだとき、これは完敗だなあと。ここまで意図して作られてるのかあと。

これね、自力で仕掛けられているすべてのことに気付くのは難しいと思います。ただ、その気づいたときの感動、驚きは読者の特権です。全てを知った時感服せざるを得ない作品ですね。さすが、作者さんが一番の自信作としていることはあります。

ま、結構な数ネタバレ落ちてるのでここでは書きませんけどね~。

さて、そんないろんな驚きが詰まったこの作品、是非読んでみてはいかがでしょうか?

あ、それともう一つ作中では明かされなかった謎があるんですが、そっちの方は私の超苦手分野なので触れないで置きますね~。
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まとめtyaiました【笑わない数学者】

3日連続更新!まあ、その代わり来週更新ないかもなんですが。今回は初夏を彩る新本格祭り(笑)のラストです。ってか『どんどん橋、落ちた』を見つけた時に一緒に買った作品が全部新

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