騙す技術、騙される快感

はい、今回は予告していた通り叙述トリックについての駄文を書きますよ~。

なおこの記事は『どんどん橋、落ちた』の補足の意味合いもあります。本筋の感想はこちらになります。→http://mitikusaboya.blog.fc2.com/blog-entry-14.html

さて、『どんどん橋、落ちた』の感想で私はミステリーにおいてフェアなアンフェアはアンフェアではないなんてことを言いました。そのフェアなアンフェアの代表格が叙述トリック。読者の認識、先入観を利用して事実を誤認させるものですね~。

私は、このトリックは大好物の部類に入ります。作者さんの腕の見せ所だからね。ただ、ミステリー史においてアガサ・クリスティの『アクロイド殺し』のフェア・アンフェア論争からはじまり、現状では一応認められているものの、多分嫌いだと思われる方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。確かに騙そうとして騙している訳ですからね。いい気がしないのも分かる気がします。

でもね、素直になりましょう?実は~だったみたいな事実発覚の時の驚きって、気持ちよくないですか?なんだろう、あの、「あああああああ、そういうことかああああああ」って思わず叫んでしまう感じ。騙されたのに、なにかこう悔しいというよりはやられたわ~みたいに思えてなぜか笑みがこぼれてくる感じ。テレビのドッキリ企画みたいなね。最後には皆笑顔というか。

圧倒的な驚きとそこまでうまく騙し切った作者さんへの敬意とエンターテイメントとしての面白さ。叙述トリックはそういったものを感じることができる、先人が残した技術なんですよ。

しかもね、先人が残してくれたにもかかわらず型がない。いや、大まかな分類は可能かもしれませんが全く同じものは存在しないんですよ。作者さんの味を思う存分発揮できる技術。作者さんによって全く違う色になる。だから、飽きることもないわけです。与えられるのは常に新鮮な快感です。革新的な技術だと思いませんか?

さらにさらに、この技法が使われるのはミステリーだけじゃないですよね。様々なジャンルの小説が存在しますが、かなりの数の作品に大なり小なり叙述トリックは使われていると思います。それだけ読者にインパクトを与えるには最適な方法であるということだと私は思います。

なんて熱く語ってみました。それじゃあここでちょっとだけ分類してみましょうか、大まかに。

ちなみに大まかに例示しますが作品名は書かないつもりです。そこまで多くの作品を知ってるわけではないですし、ネタバレになってしまうので。

1.登場人物の詳細を誤認させる

性別とか年齢とか人間関係とかですね。このパターンが一番多いんじゃないかな。そこまで大がかりにならないし。

2.時系列をずらす、場所が違う

これもよく見るパターン。実は2つの事件は全然違うタイミングで起きてたみたいなね。これも使いやすい部類な気がします。意外な犯人とかを作りやすいので。

3.私が~パターン(信頼できない語り手)

それこそ私が犯人パターンもあれば、ペット目線だったり、実は死んでるとかバリエーションは豊富。これもよくあるパターンですが仕掛けが大掛かりになることが多いですね。私の正体に気付くと簡単に真相に辿りつける場合が多くなるので。

あと私が感じたこと、認識したことを書くので私が誤った記述をしている(本人無自覚)みたいなのもこのパターンですね。

4.登場人物の人数をごまかす

これ名作に多いパターンです。ただしこれがメイントリックに座るので多分作品数自体は多くないはず。例えば私が二人いるとかですね。1章では私は~のことを指してるけど2章では違う人物にすり替わってるとか。逆に存在しない人に話しかけたりする実は人数が少ない的なパターンもあります。

こんな感じかなあ。この分類はもちろん私がてきとーにやったので正しいなんて言えません。大体前述したように作者によって同じものが存在しないものだから正確に分類なんて言うのは不可能でしょう。

さて、いかがでしたでしょうか?私の叙述トリック論。何度もいいますが私はこの技法は大好きです。プロットがしっかりしてないと出来ないですしね。まああくまで駄文ですので気に障ったという方は戯言としてスルーしてください。

で、最後に今回は『どんどん橋、落ちた』の補足的な立場をとっていますので一応綾辻先生にも触れましょうか。

綾辻先生はこの技法を得意としている作家さんです。基本最後に驚かされる。いい方が悪くなりますが騙しのプロ、ですね。もちろんいい意味で。

ただ、さすがだと思えることは無理な描写をしていないことですね。あくまでフェアであろうとしている。フェアの範疇で最大限の仕掛けを張っています。そこが尊敬の念を覚えるところ。そして綾辻先生最大の特徴ですね。

そうそう綾辻先生が最近書かれてアニメ化して話題になった『Another』についても一言だけ。この作品はいわゆる新本格といわれるジャンルではないです。(ないよね?なんか自信なくなってきたけど)どちらかと言えば奥様小野不由美先生が得意としている感じの作品ですね。

これもある叙述トリックで、しかもアニメという媒介を生かした技法で話題になったんですが・・・それは、アニメの方をご覧いただく、ということで。

【注意】ちなみに私は原作もアニメもどっちも観てません。が、どんなトリックが仕掛けられていたかはもちろん知っているし、作品の内容もほぼ知ってます。理由はこの作品ネタバレが異様に落ちているから。なのでちゃんと観ようという人はくれぐれもネットで調べるなんてことをしない方がいいと思います。

私は多分原作の方を先に読んで、その後で友人にDVDを借りるつもりです。原作の方は読んだらこのブログに感想を載せるかもしれません。そのときはまた、よろしくです~。
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はい、今回は予告していた通り叙述トリックについての駄文を書きますよ~。なおこの記事は『どんどん橋、落ちた』の補足の意味合いもあります。本筋の感想はこちらになります。→htt...

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