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斜め屋敷の犯罪

まさに本格ミステリという一品。驚愕とともに振りかえってみると至る所に伏線が・・・。それはまるで読者をあざ笑うかのように。

というわけで今回は島田荘司先生の『斜め屋敷の犯罪』です。島田荘司先生自体はこのブログに何度か出てきてるんですがその作品を扱うのは本ブログ初です。まあ、島田先生に関しては書かなくてもいいよね?日本ミステリの第一人者でございます。

というわけで早速作品紹介です。

北海道、とある富豪によって建てられた建物。微妙に傾いて作られた屋敷と塔。中は複雑な作りをしており簡単な迷路のようになっている。金持ちの道楽で作られたようなこの奇怪な屋敷にクリスマス休暇を楽しむため招待された客人が集まる。北の大地の吹雪の夜に惨劇の幕があがる。・・・こんな感じかな?

密室、雪を使ったトリック、そしてあの超大仕掛けのメイントリック・・・まさに本格ミステリ、ですね。

探偵役はもちろん御手洗潔でございます。日本の誇る名探偵たちの中でも相当知名度高い部類に入るキャラクターかと思います。そりゃあ「ジッチャンの名に懸けて」のジッチャンとか苗字も名前も名探偵の代名詞になっているような20の顔を持つ怪人を相手取ったあの方に比べれば一般知名度は高くはないでしょうが・・・。

ただね、今回の御手洗潔の登場は作品の第3幕から。かなり遅くなってるんですよね。どっちかというと安楽椅子探偵みたいな役回り。いや、相当アクティブに動いてはいるんだけどね。事件発生→呼び出されるって形だからね。

だから警察組が不憫で不憫で。間抜けな推理を披露したりね。もう、無能という言葉がぴったり合うような。だって1つ目の事件→警察到着→2つ目の事件とかいう・・・。まあ、全てが終わった後だとどうしようもないと分かるんだけどね。ただね・・・

「動機があるものがいない。だからこの中に犯人はいない(キリッ」

アホじゃないですか?確かに動機から犯人を絞ろうという試みは正しい捜査だと思うんだけど動機が見当たらないから犯人なんていないという風には考えちゃいかんでしょ。外部犯はほぼあり得ない。この状況下で殺人が起きちゃったんだからさ。

実際ね、動機なんてなんでもいいんですよ。実は知り合いだったという後から付け足すパターンだってあり得るわけですしね。衝動的に殺しちゃったとかもありますし。崖の上でラストシーンが描かれる2時間サスペンスでは定番ですよねこれ。一生懸命捜査して「実は・・・!?」を探すパターンです。

大切なのは論理性なんですよぉ。少なくとも推理小説というジャンルにおいては。動機なんて横に立ってたから鬱陶しかったのででも生理的に受け付けないでも誰でもいいから人を殺してみたかったでも論理によって真相が解き明かされる、犯人が分かるという基本原則さえ守られていれば問題ないんだよね。

ここでやっと本題。本作は読者への挑戦が差し込まれています。だから当然フーダニットではあるんですが、実質はハウダニットがメインの小説ですね。もちろん前述したトリックの要素が大部分を占めているからそれの解明が本筋というのもあるんですがそれよりもあえて犯人は分かるような書き方をしているのかなと。

明言はされていないです。ちゃんと論理で犯人を絞り込めるようになってますしね。でも私にはやっぱりこう聞かれてるような気がしたんです。

「犯人はコイツです。さて、どうやったか分かりますか?」

多分意図してこういう構造にしてるんでしょうね。トリックで勝負するために。

思い浮かべたのはこんな感じだったかな。

「え~、今回はとても難解な事件でした。私としては犯人はあの人しかいないと確信しているんですが彼には鉄壁のアリバイがあり殺人を犯す動機もない。では犯人は一体どうやってこの不可能を可能にしたのか。んふふ・・・ヒントはこの屋敷・・・古畑任三郎でした」

うん、なおヒントには多数の意味がある模様。そのうちの1つに気付いた時私はこれはやられたわと思わざるを得ませんでした。本当に綺麗でした。終幕からエピローグまでのラストは張り巡らされていた伏線を一気に回収しきるので。

なぜ?どうやって?それは複数の理由。でもたった一つの目的。

さてちょっとだけ意味深な言葉だけ残しつつ今回の感想は閉めさせていただきます。ではでは、日本ミステリの最高傑作のひとつ、是非手に取ってみてはいかがでしょうか?
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第1回ブログ改善案検討会議、なのっ!

今回は前回の事件は会議室?いえ、頭の中で起きていますの続きの記事になります。

今回は少し実験的な記事にしたいと思ってますので予め。ではいってみましょう。

~前回のまとめ~

漫画やアニメ、ドラマなどなど小説以外の感想も書きます→タイトルとかカテゴリとかどうするの?

カテゴリは漫画・アニメ・ドラマでそれぞれ作ればいいじゃん(いいじゃん)

じゃあタイトルは?・・・今ここですっ!

~第一回ブログ改善案検討会議~

「タイトルはどんなものがいいですか?」

「やっぱり私と言えばひらがなではないでしょうか?」
「もともとの妄想玩具箱もおもちゃ箱って表記の方がしっくりきますねー」
「きらきらしたタイトルがいいって思うな、あはっ☆」

「具体的には?」

「ノートとかメモ帳とかイメージと合いますよね」
「チラシ裏とかもいいですよね、うん」
「ひらがながひとつも候補にないけど大丈夫なの?」

「調査の結果(ググっただけ)ノートもメモ帳もチラシ裏さえもかなりの数使われてるんだけど・・・」

「まあ、私なんてありきたりな考え方しか出来ないですし・・・」
「そんな独創的な意見を求められても・・・」
「ねむいの、あふぅ・・・」

「いじけてないで何か意見を出してください」イラッ

「みちくさぼーやの~とか?」
「迷子の~とか?」
「ハニィ~、もう食べられないの、あふぅ・・・zzz」

「なんか適当になってませんか?」イライラ

「だってぇ~」
「思い浮かばないだもん~」
「ねぇ」

「いや、もうやるって決めちゃったしそんなこといってる場合じゃないんですよっ!」
「思い浮かばないっていってるでしょっ!!!!」
「アンタもなんか考えろや!!!!」

「もう、その作品のきらきらしてる言葉とか印象に残ったワードでいいんじゃないかな?」

「「「はい?」」」

「今小説の感想はその本のタイトルにしてるんだよね?だったら台詞とかにすればちゃんと区別できるって思うな、あはっ☆」

以上、茶番終了。

ということで適当に作品内からワードを抜きだしてタイトルにします。本音を言えば、ただ単に何も思い浮かばなかっただけなんですけど。

でもでも、それでなんとかなりそうだよね、実際。というわけで今後なんらかの小説じゃない感想を書くときはこういう形をとります~。というご報告でした。

それにしてもやっぱりミ、美希ちゃんは可愛いって思うな、あはっ

事件は会議室?いえ、頭の中で起きています

今回は駄文でございます。駄文というかある事情から手持無沙汰な状況になっちゃったから暇つぶしでなんかかんか書くことに。てけとーにふらふらと語ってくので脈絡とかないかと思いますがお付き合いいただけたら幸いです。一応テーマは「妄想」です。

妄想というワードでまず脳内にイメージされるのは「ダメよ、小鳥ぃ~」なんですが。はい、最近のマイブームはもっぱらアイマスなので。というオタクアピール。

ちなみに私はアニマスから入った勢(しかも観たの最近です)ですので普通に新参勢です。異様なハマり方してるけどニコ厨ですし問題ないよね。なお友達に東方厨のニコ厨がいるのであとはボカロ好きのニコ厨というキャラ付けを共通の友達に強要しようか迷っているところだったり。

ほいじゃ本題。このブログを始めてからミステリを読む機会が増えたんですが(もともと読んでなかったわけではないけど別に好きなジャンルという訳でもなかった。きっちりしてるし何かしらで驚けるから感想が書き易いんだよね)その影響か最近頭の中で密室トリックとかクローズドサークル的状況をを考えてたりする。というか妄想している。

ただ、これだっ!っていうのは思い浮かばないよね。そういう意味で作家さんって凄いなあと改めて思います。

というか私はもともと何かの話を考えるのが好きな性分でして、物書きって結構憧れるんですよね。小説とか書いてみたいって思ってましたし。ドラマの脚本とかでもいいなあ。まあ、何かしら行動に移しても飽き症なので最後までいかないんですけどね、大体。自分でなにかを産み出すよりも与えられるものを食べていた方が楽だからね、しょうがないね。

うん、まあ言葉にすると大げさになるかもだけど別に昔小説家を目指して挫折した経験があるとかではないよ?ただぼけーっと何かを考えるのが好きだっただけ。自分の頭の中だけなら案外楽に何かを作れるからね。それを形に出来るのが小説家さんの凄いところ。

でね、これも最近の趣味なんだけどSSってあるやないですか?漫画とかアニメとかの。あれもいいですよね。小説とは違う楽しみ方が出来ますし。2次創作って実は先人が残した偉大な考え方だと思う訳ですよ。あれこそ人の妄想が創り出した新しい文化ですよね、うん。

原作を壊し過ぎず、それでいて原作で出来ないことをやる。こういう展開だってあり得たんじゃない?的な主張。きっちりとした論理展開、文章構造ではないけれどこれもまた文学のひとつなのではないでしょうかね。

まあ、これも自分で創れと言われたら面倒なんで嫌ですと答えるんだけどね。頭の中で考えるならまだしも文章にして人に伝えるって相当なことやと思うよ。興味がないかといえば嘘になりますけど、今のところその手のまとめサイトさんが挙げているSSを読むだけで満足してますので。

ここで全く違う話を入れるけど私って自分のことを文章で呼称する時「私」を使うんですよね。あとなにかと似非関西弁を多用する傾向がありますね。もちろん、普通に人と会話する時は1人称は「私」ではないですし、変な関西弁も使わないです。ただある事情から「私」を使うのがそしてなんとなく関西系っぽい口調で文章を書くのが癖になってしまった感があるので今後も直す気はないですね。

脈絡ないけどこれもある種妄想の産物だよね。別にキャラを作ってるとかそういう訳ではないけれど。

話を戻します。妄想というテーマでフリートークしてきましたが、そもそもなんでこんなテーマを選んだのかというとてけとーに語りたかったというのもあるんですが一応ある目的があったのです。

それは…このブログに小説以外の感想を書くスペースを作ろうという提案、提案?提案だとおかしいか、うん、作ります。もともと漫画の感想書くみたいなことを前に話してましたしね。

理由を挙げます。前述の通り私は小説だけでなく漫画アニメゲームドラマ等など小説以外の媒体もかなりいけるクチです。というか、若干知識不足感の否めない(というよりジャンル、作品数が多過ぎて把握なんかできない)小説よりも全然語れます、多分。メジャーどこからマイナーどこまで意外に知ってたりします、多分。

でね、小説って読むの時間かかるんだよね。更新スピードがあげられないんです。まあ、不定期更新を謳っているので問題ないんだろうけどなんか寂しい。これみたいに駄文で埋めればいいかもだけどそれだとなんとなく趣旨に反しちゃう気がするし(というかそれならツイッターで十分ですし)。ので、小説じゃない作品の感想を書くことで更新頻度を水増ししようかなと。自己満足なんだけどね。

なので今後は週2くらいの更新ペースにはできるかなと思います。というかそれが目標。最初のうちは調子に乗って多くなるかもだけどね。多分週2くらいがちょうどいいのかなあと。

だけどもここで新たな問題が生じるのです。それは…タイトルとカテゴリをどうするかという問題。タイトルは漫画名をそのままという今と同じ方式でもいけなくはないんですけど。でもでもやっぱりメインは小説でいきたいので、そして小説以外の記事はこの文章みたいに比較的フリーダムでいきたいので差別化を図りたいところ。

カテゴリは漫画・アニメってカテゴリ付ければええのかな?問題はタイトルの差別化ですのう。

というか腹案があったんですよ、本当は。「妄想玩具箱~(なにか印象に残った言葉)~」って感じでいこうとしてたんですよ。そうだなあ、最近観たアニメだと「妄想玩具箱~私、気になりますっ~」(というかこれは多分やります。タイトル変えて)とか。…うん、これ普通に別の方がブログタイトルに使われてるようです。グーグルさん検索調べによると。

どうしよう?何か独創性に富んだいいタイトルはないものか…

という訳で別記事に続きます。え?これも水増しだろって?い、いやだなー。ソンナコトナイヨー?

というかいつもの感想記事より文章量あるんだけどそれはいいんですかねぇ。

妃は船を沈める

街角ですれ違い、もう二度と会うことはないと思っていた人物と、歩いているうちに再会したような気がした。

はい、という訳で今回は有栖川有栖先生の『妃は船を沈める』です。最近学生アリスに浮気してたので今回は作家アリスの長編作品ですねー。長編といっても第一部と第二部で異なる殺人を扱う二部構成。もともとは第一部を中編作品として発表されたものだったのですが上記の「再会」があり後日談として物語を作ったところこれ繋げたら長編になるのでは?的発想のもと刊行されたのが本作ですね。

タイトルにある「妃」が先生が「再会」を果たした登場人物であり二つの事件のキーパーソンになる人物ですね。個人的には好きなんですけど他の方の感想を読むと意外と不評?魅力が伝わらないのだとか。そうかな?個人的にはなかなか味のあるキャラクターだと思ったのだけれど。

さていつもなら作品紹介なんですけど今回は前後篇で違った事件を扱ってるので分けて紹介しつつそれぞれに感想を書かせて頂くという感じで進めますね~。

第一部 猿の左手

一台の車が海に消えた。一見自殺に見えるもののそう断言は出来ない不可解な状況の数々。被害者から検出された睡眠薬。何故被害者は後部座席にいたように見えるのか?被害者が後部座席にいたのなら誰が運転していたのか?運転した者が別にいたのであればその者はどこに消えたのか?現場に残された多くの謎。そして被害者にかけられた多額の保険金。様々な思惑が絡み合う事件に臨床犯罪学者・火村英生が挑む。・・・こんな感じですかね。

久々の作家アリス。そして久々の火村英生です。うーん、やっぱこのコンビもええよね。

本作の容疑者は3人。ただ全員がこの犯行は不可能のように見える状況です。とはいえ、どんなタイプの仕掛けが施されていて誰が犯人なのかは早い段階で気付けるかも。煙幕がある訳ではないからね。ストレートに考えればなんとなくは分かるんじゃないかな?

ただそこは有栖川有栖先生です。これを単純と感じさせない。先生の作品を読むといつも感じるんですが本当に美しい。変化球のキレ味で空振りをとる作品が多い中抜群のコントロールのストレートで手が出せずに見逃し三振を取られる、そんな感じの作品ですね。

個人的には第一部のこちらの事件の方が好きですね。複雑ではないけど鮮やかといった感じ。しかも確かに続編を作る余地が残されている。だってまだもう一つ残っているのだから、伏線というか願望というかそういうものが。

で、本題。こっち側の話では『猿の手』という短編の名作の解釈論が事件を解くキーになっています。これが挟まっているから単純な推理物ではなくさすが有栖川先生といった作品になっているんですが。

ちなみに私は『猿の手』を読んだこともありませんでしたし、どういう話かを知らなかったんですがそれでも問題なく読ませる話を作っているのはさすがですね。そしてこの2つの解釈論自体が面白いんです。確かにそうもとれるなあと。そう考えた方が、またそう感じさせることが作者の真の狙いなのかもと思わされてしまいますね。

そしてこの解釈論を論理の歯車に入れているところがまたにくいですね。綺麗。

幕間

二つの事件を繋げる幕間なんですがその名の通り事件は起こりません。ですがここの描写は好きです。深い意味はないです。第一部の謎解きの舞台になった異国情緒漂うレストランでのアリスと銀髪の女主人の会話なんですがなんかいい感じ。上手く言葉に出来ないんですけど。

タイトルの元ネタにもなっている『難船』というファド(ポルトガルの民族歌謡らしいです。ウィキペディア先生によると)の名曲に触れてますね。あと次に繋がる猿の手と3つの願いについても触れています。まさに幕間ですね。

はい、読み終わった後聞いてみました。思ってた以上に迫力を感じましたね。うん、ごめんなさい。音楽に疎いので陳腐な言葉しか出てこないんだ。でも凄みは伝わってきたかな。

第二部 残酷な揺り籠

地震の前後に起きた殺人事件。その捜査を依頼された火村英生と有栖川有栖はその現場となった邸宅で「妃」と再会を果たす。不可解な現場。容疑者に挙げられる人物にはそれぞれアリバイか犯行に及べない事情が存在していた。狡猾な犯人と頭の切れる犯罪学者。ふたりの対決が決着する時猿の手は3つ目の報いを招く。・・・こんな感じですかね?

こっちもかなりの出来です。が、第一部の方が面白いかなというのが正直な感想。確かに真相を聞くと筋は通ってるんですけどなんだかもやもやが消えないですね。

ただ、有栖川先生の作品ですからもちろん論理的におかしいところとかもなく確かに犯人はあの人でしかあり得ない構図になっています。ただ、犯人に運がなさすぎやしませんか?ひとつでも犯人に有利に動いていたら捜査は立ち往生したまま迷宮入り出来た気がします。

まあ、小説で犯人に利する偶然の出来事が起きて迷宮入りなんてあり得ない訳ですけどね。これもまた願いを叶えた者へのそれ相応の報いと捉えておきましょうかね。

・・・といった感じでしたね。全体を通して猿の手にまつわる話が続いていきます。何かにすがって願いを叶えた者には、定まっていた運命を変えてしまった者には、報いが、災いが降りかかる。作中に出てくる3つの願いはもちろん猿の手ではなく人の手で叶えられるんですが3つとも相応の災いが起きました。

もちろん小説の構図としてもこの構造は素晴らしい。でもなんらかのメッセージも隠れている、そんな作品だった気がしますね。具体的にどんな意図が?と聞かれると言葉に出来ないんですけど。

さて、有栖川先生の代表作である作家アリスシリーズの名探偵・火村英生が出会う魔性の女性「妃」・・・猿の手の魔法か、彼女の魅力か、それともただの偶然なのか、一人の女性を中心に起こる二つの事件、是非堪能してみてくださいね。

パラドックス学園 開かれた密室

作品内で、この作品自体の犯人、トリックなどに言及していますので、本作を読了されたかただけこの作品をお読みください。

ページ開いていきなりこれだもの。わけが分からないよ。確かにパラドックスを冠に掲げるだけのことはあるようですね。いきなり矛盾全開です。「異議あり」と某ゲームの弁護士が叫びだしそうな。

というわけで今回は鯨統一郎先生の『パラドックス学園 開かれた密室』でございます。何気なく手に取った本作ですが湾田乱人シリーズというシリーズの2作目で『ミステリアス学園』という作品の続編なんだとか。知ってたら順番通り読んだのにぃ。若干前作の設定を引き継いでる・・・だろう描写があったりなかったり。

ちなみにウィキペディア先生によると鯨統一郎先生は『邪馬台国はどこですか?』でデビュー。この作品はこのミスの8位に選ばれています。そこまでに紆余曲折あったみたいですが。ちなみに私は先生の作品は初めてになりますねー。

なお今回は何時にも増してウィキペディア先生をフル活用させて頂きます。

ではでは作品紹介いってみよー。

パラドックス学園パラレル研究会、通称パラパラ研に所属することとなったワンダ。そのメンバーはエドガー・アラン・ポー、コナン・ドイル、モーリス・ルブラン、アガサ・クリスティという先輩陣に同級生にジョン・ディスクン・カーとエラリー・クイーン(もちろん二人組)という布陣。確認してみたところそんなことはあり得ないにもかかわらず、彼らは著名なミステリ作家と同一人物でしかあり得ない。平行世界、まさにパラレルワールドというこの世界にはミステリ小説の概念はなく、小説の中で起こるような事件が現実に存在する世界だった。・・・こんな感じかな?

まずね、コナン・ドイルとモーリス・ルブランは並べていいのかな?シャーロキアン怒らないかなこれ?絶対許されてないでしょ?「許してくれ、ルパン」のくだりは。とはいえ、最近は翻訳側が気を使ったりなどなど諸々の事情で改善してある『奇厳城』もあるので読んでみるといいかもですよ。部下のせいにしたり、思いっきり話変えちゃったり・・・というステマ(笑)

ちなみに私は別にシャーロキアンというわけでもないですし、あれは別人という説を推奨している人なので全然気にならへんかったけどね。まあ、他人の作品の登場人物拝借して読者にそう感じさせたらあかん気はするけどね。

脱線したねー。戻しましょう。正直面白かったですよ。うん、面白かった、本当に。ただ・・・

「本当に面白い本ほど壁に叩きつけたくなります」

ちなみにこれ作者さんの言葉ね。途中で「読者と会話するかのような小説」なんて言葉が出てきますがまさに本作のことですね。怖いくらいに読者の心理、思考を読みとっている。まるであざ笑うかのように。私も叩きつけてやりたくなりました。今回は借り物なので自重したけどね。

うん、フーダニットとハウダニットの完成度はなかなか高いレベルではないかと。完成度?完成度だと言葉がおかしいかもね。斬新さと言い直しておきましょうか。ポイントはフーダニットだけではここまでの驚きにはならなかったという点。ハウダニット要素も存在するからこそ(なんてったって密室殺人ですから)ここまで面白い作品になったんでしょうね。

しかも文章構成もよく考えられてる。伏線もしっかり張ってある。確かに、言われてみれば・・・と納得せざるをえないかなあと。悔しいけどね。本当に手玉に取られるってこういうことだと思います。

私の評価としてはこんな感じ。悔しい、いらっとする。でもぐうの音がでない。面白い。

ただ、負けっぱなしはなんとなく悔しいのでウィキペディア先生を使って少しだけ揚げ足取りをしてみましょうか。せめてもの抵抗に。まあ、屁理屈なんで聞き流してください。

主人公が、新入生なのは、おかしくないですか?

本来なら主人公ワンダはドイル、ルブランと同じ3回生、もしくはアガサと同級生であってしかるべきなんじゃないのでは?他は綺麗に並んでるのにここだけ違和感がある気がしますよ?

まあ、これ以上は突っ込みませんけどねー。別にここを突っ込んでも本筋に影響はほとんどないけど一応ネタバレは本意じゃないですからね。それに、所詮屁理屈に過ぎないですし。なにせそこはパラレルワールドなんだから。

あ、それと隅に描いてあるパラパラ漫画はなかなかいい出来だと思います。ちゃんとミステリしてるしね。本格ミステリ・パラパラ漫画の名に偽りはないですね。

それでは巧みな言葉遊びが紡ぎだすトリックとロジック、是非堪能してみてくださいね。

珈琲店タレーランの事件簿

「その謎、たいへんよく挽けました。」

なんでこんな訳分からん時間に更新しているんですかねぇ・・・

はい、今回は第10回『このミステリーがすごい』大賞隠し玉作品です。その名も『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』です。さすがに編集部推薦作品、かなりの面白さでした。

作家さんは岡崎琢磨先生です。もちろんこれがデビュー作(その出来は処女作とは思えないものでしたが)、全く別の作品を書くにしろ、この続編を書くにしろこれからの活動に期待ですね。

始める前に確認しておきますね。私がこのブログに載せる作品は人に紹介できるほどに面白いと思った作品になります。当然私はこの作品大好きです。ただ、少しばかり今回は批判的な文章になってしまうかもしれません。何度でも言います。私は本作は面白いと感じていますし、大好きです。念のため。

はい、じゃあ作品紹介にいってみよー。

ひょんなことから入った喫茶店で運命的な出会いを果たす。その珈琲の味に感動を覚え珈琲店タレーランの常連客になった主人公。そしてその珈琲を入れるバリスタ、切間美星と親交を深めていく。彼女は店に持ち込まれる日常の不思議、謎を華麗に解き明かしていく。ただ、彼女には秘められた過去があって・・・。こんな感じですね。

かなりライトノベル寄りの作品かなーって。どうなんだろう?ただそこはこのミス隠し玉、話もなかなかしっかりしてたんですよね。分類が難しいですね。

というかですね・・・なんか読んだことあるこんなのっ!?

うん、ビブリア古書堂に似てるんですよね、というかそっくりなんですよね。主人公の男と切れ者のヒロイン。人が死んだりせず、日常的などちらかというと些細な謎を解決していくミステリ。今の流行りなのかな?

ちなみに、あくまで私の主観になるんですけど、ビブリアの方が面白いと思います。理由としては・・・

1.ビブリアは古書堂である必要性が高いが本作は別に珈琲店で起きる必要がないこと

2.古書的知識が謎解きの歯車として存在するため論理構成が少し特殊なビブリアに対し比較的簡単な論理構成で話が進んでいること

が、挙げられるのかと。まあ、1,2は同じようなことなんだけど。

一応最終話だと珈琲店が結構重要っぽいんですが別にカフェじゃなくてもいいんだよね多分。あと随所に珈琲的豆知識(珈琲だけに)はあるんですけど本筋にはあんまり関係なかったりしますしね。

さらにですね、少し伏線が見え過ぎな気がします。正直多分こんな感じの大落ちなんだろうなあという予測は立てられました。さすがに不自然すぎるかなと思われる描写がね。

それでも最終章はこれぞミステリといった感じの仕上がりでしたけどね。鮮やかな手際だったと思います。少し予測していただけに驚きこそ少なかったんですが。

ただこれもねぇ・・・。最終章とその他の回にムラがある感じなんですよね。だから最後はなかなか楽しめるんだけど中だるみする感じ?すべては最終章に繋がる伏線なので仕方ないと言えば仕方ないんですけどね。やっぱりクオリティの差が気になりました。

こんな感じですかね。言いたかったことには全部触れたかな?

あ、最後に一言だけ。

「美星ちゃんかわええ」

ドラマ化するなら配役は堀北真希で決まりですね。黒髪ショートボブはとりあえず堀北真希といっておけばいいという風潮・・・一理ある(キリッ

まあ、コメディミステリの部類に入るのでね、妥当な配役なんじゃない?天真爛漫な笑顔キャラではないし意外と難しそうな役ですけどね。

はい、脱線したね。ともかく、さすがのこのミスクオリティな本作、是非手に取ってみてはいかがでしょうか?

ミッキーマウスの憂鬱

衝撃の事実を知ってしまった。このことを早く公にしなければ・・・。ミッキーは、ミッキーの中m・・・そのとき、不意に肩をたたかれる。

「ハハッ、少し知り過ぎてしまったようだねぇ」

世界一有名なねずみが笑みを浮かべてそこに立っていた。

・・・なんて茶番。でもこれってタブーなんじゃないのかな?というわけで今回はディズニーランドが舞台の青春ドラマでございます。『ミッキーマウスの憂鬱』というタイトルに引き寄せられプロローグに出てくる着ぐるみという言葉で購入決定。本当に大丈夫なんこれ?

作者さんは松岡圭祐先生ですねー。千里眼シリーズや万能鑑定士Qシリーズでお馴染み・・・らしいです。ごめんなさい、読んだことないです。舞台催眠法を使ったタレント活動もされていた方だとか。うん、もちろん本日もウィキペディア先生に頼りまくっております。

ではでは、作品紹介へいってみよー。

ディズニーランドで働くことになった青年。配属された日からトラブル続出の裏方の仕事。そして東京ディズニーランド最大の危機に立ち向かうことに。ディズニーの裏側「バックステージ」で夢の国を支える現実を知り、それと向き合いながら仕事にやりがいを見出していく青春成長物語。様々な人の思いがゲストに夢を提供していく。夢の国を創り出していく。・・・こんな感じでしょうか?

先に解説に触れます。本作の中身はすべてが真実という訳ではないみたいです。絶妙なリアリティを残しつつそれをフィクションとして読者に提供している作品だと述べられていますね。

もちろんこのリアリティは入念な取材の賜物でしょうね。ディズニーの裏側はこうなっているんだという説得力ある描写です。ミッキーの中の人の設定とかショーの実情、キャストはどのような仕事をしているのか、厳格な規則、役割分担、そして社員間の葛藤、そのすべてが本当のことのように感じられます。多分大部分が本当のことなんでしょうが。

そしてその説得力ある描写の中でしっかりとした物語が描かれています。伏線を張り、それを回収する。まさに基本に忠実な文章構成。そのため登場人物の数であったり、出来事の数が最低限に抑えられています。だからこそ短い文章量できっちり読者に読ませることが出来るのでしょう。

また視点移動が上手い点も高評価ですね。的確に視点を動かし誰がどう動き、どういった考えを持っているかを描写しており、本作のメインテーマの一つである役どころによっての考え方の違いを上手く表現しています。またこの視点移動により物語にテンポの良さが生まれとても読みやすくなっていますね。

ただ、あえて挙げるならラストを上手くまとめ過ぎな気もします。もう少し何かあっても良かった気もしますね。確かに盛り上げるべきところは熱中できましたし、このラストにも文句はないのですがちょいとご都合主義的過ぎな気が。

広げ過ぎるとまたおかしくなっちゃうので難しいところではあるんですけどね。もうひとつふたつ波乱があってもよかったかもですね。

なんとなーく少し批判したみたいになっちゃいましたがめちゃくちゃ面白いからねこれは。念のため。

ではでは、おそらくこれ以外には存在しないであろうある意味タブーに触れた青春小説、是非手に取ってみてはいかがでしょうか?
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みちくさぼーや

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