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イニシエーション・ラブ

今回は恋愛小説なのに2005年本格ミステリベスト10で6位に入ったミステリーマニア絶賛のこの作品です。

珍しく前評判をもとに購入してみました。もとから気になってはいたんだけどねー。

いやあ、これは話題になるわ。めちゃくちゃ面白かった。密室やらアリバイやらましてや殺人なんて全く出てこないけどこれは間違いなくミステリ作品です。そこらの本格ミステリを謳っている作品よりミステリしてる作品。

作家は乾くるみ先生ですね~。メフィスト賞出身作家ということでおそらくミステリ畑の作家さんかと思われます。ごめん、他の作品を読んだことないのでなんとも言えないんだ。ただ、ちょっと納得。あれだけ緻密な作品を普段はミステリなんて書かないような作家さんが書いてたら驚愕するもの。

読み終わった後必ずもう一度読み返したくなる作品と銘打たれていましたがこれほど的確な表現もないかもね。噛めば噛むほど味がでる。一瞬の切れ味で勝負する作品ともまた違い、何度も切られているのにそれに気付かない、気づけない作品ですね~。

じゃあ、作品紹介していきましょう~。

乗り気ではなかった合コン。そこで僕は運命的な出会いをする。次第に仲が深まっていく僕と彼女。お互いがお互いにのめり込んでいく恋愛。それはイニシエーション・ラブ、通過儀礼的な恋の物語。人は出会いと別れを経験し、「絶対」なんて存在しないことを学んでいく。そして子供から大人へと成長していく。・・・こんな感じかな?

なんか恋愛小説っぽいー。いや、恋愛小説なんだけども。このあらすじだと僕の初めての恋愛を描いた作品って感じがしてどこかよくある設定に見えるでしょ?もちろん、王道は素晴らしいし多くの読者に受けるから王道な訳で本作もそのレールに乗っかっています。いるんだけど・・・って感じの作品ですねー。

私もね、煽り文通り読み返しました。伏線は本当にいっぱいあるのね。ただ、気づけないよそんなん。実際一通り読んで結末を知ってるはずなのに2,3回読んでも伏線の見逃してる部分が結構ありましたからねー。

正直後ろの解説がなかったら拾いきれてなかったですね、おそらく。あ、もちろんですが「再読のお供に」という解説なので先に読むなんてことをしてはいけませんよ?何の面白みもなくなってしまうから。

本作は大きな仕掛けが複数存在します。この仕掛けがミステリファンに絶賛された理由なんですが、これが本当に緻密というか巧みというか。拍手ものです。

私はミステリとして評価されていることだけは知っていたので結構注意して読んでたんですが、比較的分かりやすいほうの仕掛けは分かりましたが、それだけで終わっちゃいましたねー。最初読んだ時はえ?これだけじゃないの?みたいな感想でした。

イニシエーション・ラブというタイトルも素晴らしいです。複数の意味合いがあって。実際作中にこの言葉が出てくるのはかなり後の方なんですが(というより初めての恋愛なのにこれは通過儀礼的な恋愛だとか割り切られてたら困りますけども。終わりを意識してるからこんな考え方ができるんですよもちろん)読み返してみると深いんですよねー。だからこのタイトルなんだと後になって感じさせてくれるセンスある言葉ですね~。

作品内容としては個人的イメージは本ブログ掲載作品の中では『見えないドアと鶴の空』に似てますかね。イニシエーション・ラブって感じだと『初恋』にも近いです。というか私のブログは恋愛物はあんまり扱ってないから該当作が少ないんですが。あとタイトルを含め全ての描写に作者さんの意図を感じることができる点だと『笑わない数学者』も似てるかもです。

構造はミステリファンが唸るような作品ですのでもちろん緻密です。毎回書いてる台詞な気がしますがしっかり伏線を貼り、しっかり回収しています。しかも、読者にそれとはばれないように。

さてはて、一応ネタバレ等はしていないつもりですが、どうなんだろう?それを意識した結果ちょいあっさりした感想になってしまったかもねー。実際は本ブログ内の作品でも余裕で上位に来るほど感動した作品なんですが。まあ、この作品はネタバレするとあんまり面白くないからねー、しょうがないねー。

ただ再読のお供にはネタバレページや分かりやすい解説してるブログなんかもありますので参照してみるといいかもです。

ではでは・・・噛めば噛むほど味が出る、1回目よりも2回目、2回目よりも3回目、読めば読むほど面白くなっていく本作、是非手に取ってみてくださいね~。
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密室の如き籠るもの

さて、長らく更新が途絶えていましたが最近読書してなかったからなのよね。これじゃ読書が趣味っていえないね~。

ただ、今日は一気に読みだめしましたので今後は更新ペースが上がるかも?

なんて宣伝しつつ今回は若干前回予告していた『密室のg・・・こと『密室の如き籠るもの』です。「みっしつ」じゃないよ、「ひめむろ」だよ。実際このタイトルだけで購入したといういわゆるパケ買いのパターンだったんですがかなりの良作でしたね~。

本作は三津田 信三先生の刀城言耶シリーズの短編4作を扱っているものです。とはいえ、表題作だけで200ページ越えという・・・。実際は短編3つに長編ひとつという感じ。3つのリズムに慣れると異様に長く感じるんですよね~。なので読むのに時間がかかりました。ものすごい面白いんだけどね。

ではでは恒例の作品紹介~。

怪奇小説を扱う流浪の職業作家・刀城言耶。彼が怪奇を求めて取材旅行へ出かけると何故か高確率で厄介事に巻き込まれやむなく事件に関わり、結果的にその核心を暴き解決に導く。論理的解決に至るのか、それとも不条理な結末が待っているのかは分からない。が、時には解決を依頼され、時にはやむなく事件に介入し、時には知らぬ間に真相に辿りついている。本格ではなくどたばた変格推理譚。・・・こんな感じかなあ。

設定が面白そうでしょ?論理的思考だけでなく怪奇現象が存在する、しうる、そんな前提で進むお話ですね~。そこがこのシリーズの面白いところ。

もちろん、論理の部分がしっかりしてるから面白いんだけどね。しっかり伏線を貼ってしっかり回収してる、けど、怪奇の影が見え隠れする。そんな作品です。実際怪奇としか説明できない描写が残されてたりしますからね。

うん、一応短編集なので短編ごとの感想を述べていきましょうかね~。

・首切りの如き裂くもの

このシリーズの特徴だと思われるんですが最初は刀城言耶は出てこないです。基本は登場人物の誰かが経験した怪奇という前半に対して探偵役である刀城言耶が論理的に考察する後半という構造ですね~。それが最も分かりやすく書かれているのがこの「首切りの如き裂くもの」です。

ホラーテイストの前半から一転コメディタッチで描かれる関西弁編集者(この子がまたいいキャラなんだよね)と巻き込まれる作家さん。そして比較的あっさりと解決しちゃいます。トリック自体はさすがに実現できるんかこれ?といった感じのものなんですけども。

そして、やはり怖いのが怪奇を疑う余地は残されているところ。これを完全否定しないのがこの小説の特徴ですね~。

・迷家の如き動くもの

本作収録作品では個人的に1番面白いと思っています。機械的なトリックなど本格ミステリ要素よりも人物の証言から答えを導き出す簡単な論理ゲームの形のこの「迷家の如き動くもの」が本シリーズにはあってる気がしますね~。

これは推理可能だと思います。っていってる私はちんぷんかんぷんでしたけども。

一押しは掛け合いですね。ずっと会話描写なんですけどひとりひとりの証言が小気味よく続いていくので読みやすいと思います。まあ、説明してる時は長々と台詞を吐いてるんですけども。

・隙魔の如き覗くもの

なかなか受け入れがたいトリックを使ってますが、一番ミステリしてるのがこの「隙魔の如き覗くもの」ですね~。

ちなみに私がえ?そんなんありえるん?って思っただけで普通にいいトリックですよ、多分。本格って感じがします。そのトリックは実際には使われへんだろっ!って突っ込めるところとかが(笑)

最初の描写がちょいくどい気がしなくもないですかね。怪奇の説明なんで必要なのかもですがこれはそれ+αで各容疑者の動機についても触れられているので文章量は少ないはずなのになぜか無駄に長く感じるかも。

もちろん、面白いですよ。一応念押ししとくけど。ただ、少し気になっただけですね~。

・密室の如き籠るもの

長え。簡単にいうとこれ>>>>>>>>前3つです。ただ終わってみると確かに本作はこの文章量が適当なのかなあと思える作品ですね~。

ただ、なかなか面白い推理劇でした。あの名作を彷彿とさせる刀城言耶の心遣いがにくい作品です。

本作の他3作との違いは怪奇とされているのが現象自体ではなく、ある人物の存在だということ。そして本筋の部分で怪奇の仕業である可能性が最後まで残ることですね。

他だとなんだかんだいいながら「あ、それは論理的に説明できますよー」とか言いながら大筋は初っ端から怪奇を否定しますからねー。ただ余韻として怪奇の部分を残しているだけで。というより答えに行き着くのが本作ではかなり終盤だから・・・なんですけどね。

このシリーズはある怪奇に対して話を聞いて刀城言耶が解決するという安楽椅子探偵要素が強いのですが、「密室の如き籠るもの」は実際に殺人事件に遭遇し、また話し始める段階では答えに行き着いていないという少し変わった事情があります。気づき→配慮という展開も良かったですね~。刀城言耶という主人公がどういう人物なのかを表したシーンになっています。

こんな感じですかね~。結構軽い気持ちで読めるので時間があまりとれないという方にもお薦めですね~。ただ、表題作だけは少し気合をいれないといけない量ですけども。

さてさて、ホラー要素のある夏にぴったりの本作、是非手に取ってみてはいかがでしょうか?あ、もちろんですけど怖がりの人にもお勧めですよ~。要素あるだけで基本はミステリなので。

十角館の殺人

今回は・・・え?十角館?なんで?今読んでるのは『密室のg・・・ああ、まだ読み終わってないのね。

・・・なんて茶番を交えつつ。最近読書の時間をあんまり取ってなかったからなあ。仕方ないね。というより短編集なのに最後の話だけ長いんだよ・・・。話面白いのにそれまでの話に慣れてしまって異様に長く感じるんだよ・・・。まあ、ちょこちょこ読み進めてるのでこちらの方はもうしばらく待っとってやってくださいな。

ですので今回は『十角館の殺人』でございます~。綾辻先生ですのう。館シリーズの1作目にして綾辻先生のデビュー作。全ての始まりですね~。初見では絶対に驚愕し興奮する作品です。常に新鮮な驚きを提供してくれる綾辻作品の原点ですね~。

さてでは作品紹介~。

推理研究会の面々が惨劇の島を訪れた時、惨劇はまた繰り返される。奇妙な建物を扱うことで知られる建築家中村青司が自ら設計し、暮らし、惨劇によって生涯を終えた青屋敷があった島。島には全焼した青屋敷の他に十角館というこれまた奇妙な建物が残っていた。ひょんなことから十角館で1週間を過ごすことになった推理小説研究会の精鋭達。楽しいはずの小旅行がある悪戯、殺人予告から本当に生き死にを賭ける殺人遊び(マーダーゲーム)へと発展していく。・・・こんな感じですかね?なんか微妙な気がするけども。

うんうん、よくある設定ですな。作中の言葉を借りるなら「嵐の山荘」ものですね。ただ、本作は嵐の山荘では終わらない作品なんですけども。

というより、本作はアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』を意識して書かれている作品ですからね~。よくある設定というより、実際に使われたことのある設定と言う方が正しいのかも。

もちろんですが、意識しているだけで結末まで一緒ということはないのでご安心を。新本格始まりの1冊とされる本作、もちろん過去作の踏襲だけでは終わりません。1つのムーブメントを作れるだけのクオリティがこの作品にはあります。

本作の最大の特徴は島組と本土組に分かれているところですね~。島で殺人が起きる中、本土でも動きがある。そして本土側で与えられる事実が真相解明には重要である。そんな感じの作品。だからあの結果は仕方なかったんだよ、うん。

綾辻行人がこういう類のトリックが得意であると知っていても完璧には読みとけない構造になっています。いや、犯人は結構簡単に分かるんですよ、これ。容疑者は島にいる人間と島にいける人間と島に隠れている人間ですが該当する人物の中でこいつが犯人というのは多分察しがつきます。それでも、驚きます。衝撃的な展開。それほどにメイントリックが秀逸です。

王道のようなストーリー展開。惨劇が起き、疑心暗鬼に陥っていく島側のメンバー。島で何が起こっているかは分からないが、実は真相究明に大切な情報を集めていく本土側のメンバー。全てをひっくり返す衝撃的な1文。そして始まる犯人の独白。さらに、ラストシーンも素晴らしい出来です。

うーん、ネタバレ配慮難しいですねこれ~。書きたいことは山のようにあるんだけれども・・・。

そういえば、これの感想に「なんだかんだ分かった」みたいなことを書いている方がいらっしゃったんですが本当ですか?確かに前情報があれば不可能ではないと思うけど、初見で完全看破は無理だと思うんだけどなあ。

後から読み返すと微妙に不自然な描写も確かにあるんですけどね~。それを補って余りあるほどメイントリックが難解なうえに煙幕の貼り方がまた絶妙ですからね~。

キャラ描写が弱い・・・とかも言われてますがそうですかね?館シリーズ屈指の名キャラクター揃いな気がするんですけど。確かにこんな奴らが現実にいたら怖いけどさ。少なくとも私は好きですよ、このキャラ達は。

あ、あと最初のエラリイの台詞がいいですよね。知的ゲームのくだり。いや、私は社会派の作品も読みますけども。綾辻先生的にはこの発言は自分の主張自体を述べているものではないが、私がエラリイと名付けたキャラに発言させているのだから全く本心でないわけでもない・・・みたいですね。

こんなもんにしときましょうかね~。これ以上言うと折角の知的な遊びがこのブログのせいで台無しになってしまいそうだから。

ではでは、綾辻先生が提供する知的ゲーム、是非挑んでみてくださいっ!

物申すっ!

久々に駄文ですよー。思いのほか今読んでる本に時間がかかっているので。

物申すっ(キリッ

というタイトルですが今回は小中高の国語の授業について文句、もとい意見を述べてみたいと思います。

国語の授業というと思いだされるのは・・・

漢字

日本語の文法

古典

漢文

そして、現代文ですね。小説やら評論やらの。

他のものはまあ、いいんです。古典、漢文が将来役立つかは疑問だけどもそんなこと言い出したら社会科から一番楽しい歴史が消えてしまいますし、数学は大体算数の部分だけでよくなりますし、理科に至っては基本全部いらないという結論になってしまいますからね。

ただ現代文教育、これだけは意味が分からない。

いや、そりゃ必要なことですよ?評論、小説を読む、とてもいいことです。

しかしながら、やり方が意味が分からない。このやり方ならいらないナイアガラですわ。ブーイングものですよ。ぶーぶーブータンですわ。このやり方を続けるなら罰金バッキンガムですわ。

脱線するけど私は最近ゆるゆりを観たんだ。超面白かった。それにしても無理くり突っ込んだ感じですが、このだじゃれシリーズは好きですね~。

何が言いたいかというと・・・あやのちゃんかわいい 教え方が悪すぎるということですね~。

まず、教科書ね。評論だろうと小説だろうと一部抜粋なんですよね、基本的には。その一部だけ読ませてその作品を教えた、学ばせた気になっているのがだめですね。

大体一部分だけ読んで作者さんの意図を理解しろと?登場人物の心理を書けと?出来る訳ないじゃん!

作者さんは1作品で文章を構成してるんだから。一部分抜粋でその意図を図ろうなんて無理に決まってるやん。

・・・とはいえ、教科書にもスペースというものがあるしおそらく私よりも賢い人が検定を行っているんだろうから何かしら学生に伝わる構造にはなってると思うのだけれど。

でもですね!授業内容がまたあんぽんたんな気がするのですよ。

基本的にさ、こういう感じではなかったでしょうか?

〇小説編

「じゃあ、この登場人物がどうしてこう考えているか分かる?」

「分かりません。」

「なんで?書いてあるやん。ちゃんと読め。」

どこを読めばいいかを示せっ!!そりゃ、あなた方の教師用の教科書には書いてあるだろうさ!違うやん。求めてるのは生徒用の教科書のどの部分を読んで、どう考えることでその答えに行き着くかやねん。答えじゃなくて過程が大事なんだよっ!

〇評論編

「結局この評論何が言いたかったかわかったか?」

「いえ、内容も難しかったし・・・」

「こんなんも理解できないのかよ・・・」

あーほーかっ!評論の中身がどんなことを言ってようが現代文という科目においては関係ないんだよっ!評論の中身を理解する必要なんてないんだよっ!文章構造の把握が大事なんだから。文章構造をこういう風にすることでこの結論を導き出すのが作者の意図だ・・・という風に説明しないと。

結論の中身なんて分かってなくてもええねん。こういう文章の並びだから結論はこの文章ですという解答が作れればいいのさ。だから表面を読ませるんじゃなくて構造を理解させるように教えないと。それが甘い。

そのくせテストは構造を理解できないと解答できない問題じゃなきゃ意味ないのに授業さえ聞いてれば答えられるように作る始末。

その後受験で一切触れたことのない文章が問題にでるのにね。こういうテストをやってるから答えられない子が続出するんだよ。「私、学校のテストは成績いいのに・・・」という勘違いから悲劇を生んでしまうんだよ。

以上私に国語を教えてくれた先生の受け売りでした~。私の場合この先生のおかげで受験国語は得意分野だったんですが、実際学校の授業だけじゃどうにもならないよね、あれ。大事なのは教科書に載ってる作品を理解することではなく、初見の文章の構造をぱっと見で理解出来る力だと思うんですよ。だからこそ、こういう面に着目して授業を行って欲しいと思いますね~。

なんて今回は本格的な駄文でした。反感買いそうやな~。あくまで無駄な文章ということでご容赦を。

鉄の骨

ゼミ課題だったはずの小説を今読んでなぜあの時読まなかったのだろうと少し後悔している今日この頃。

というわけで今回は『鉄の骨』でございます。異様なゼミ教授のプッシュから出版社から何か貰ってるんやないの?と邪推してたんですがこれはためになる。そして、面白い。

NHKでドラマ化してるんですよね。小池徹平主演作です。こちらもなかなか面白いらしいですよ~。私は観てないのですが。今度借りてこようかな?

池井戸潤先生の作品ですね~。この方はビジネス書なんかも書いておられる方なので内容がとても詳しかったです。そして難しいはずの内容が分かりやすく記されていました。ただ、それでも難しい内容ではあるんですけど。

私の場合はゼミ教授が読め!といってくるような感じの研究をしていたのでなんとかかんとか理解はできましたが、意外と?ってなるラストだったかもしれませんね、確かに。

なので、今回は浅知恵ではあるんですが少しだけ解説もしてみたりしながら感想を書いていきましょう。あ、もちろんですが、ネタばれはしないつもりです。

ではでは、作品紹介~。

現場の人間が業務課に!?異例の人事を受け業務課に転属となった主人公。そこは会社の存亡をかけてどんなことをしても仕事を取らなくてはならない、会社の命ともいえる職場だった。それがたとえ法に触れる「談合」という手段だったとしても。戸惑いながらも会社のために奮闘を始める主人公。職務の違いから次第に考えがすれ違うようになる彼女との関係や母の過去、そして談合を調査する検察側、様々な思惑が交差する中会社の命運を大きく左右することになる地下鉄工事の競争入札が始まる。・・・こんなところでしょうか?

視点が結構頻繁に入れ替わるのが特徴ですね。主人公、主人公の彼女、お偉いさんサイド、検察などなど。ただやっぱりメインの主人公(中堅ゼネコンサイド)と彼女(銀行)との考え方の違いが面白いところだとは思います。

会社を救うために談合が法を犯していることは分かっていてもそれも視野に入れつつ動かなければならない主人公と経済全体から物事をみる銀行員視点の彼女。この比較が面白いです。当然互いの考え方が全て正しいとは思っていないけれども立場上相手を批判せざるを得ない。周りの人間がそれを助長してますしね。これがおそらくメインテーマの一つです。

ただ、彼女視点はこの子が自分に好意を寄せている先輩銀行員と主人公の間でふらふらしている描写なのでどっちかというと恋愛要素といった感じではあります。その分先輩銀行員はきっちり批判を入れてくれるので対比構造はしっかりしてるんですけどね。

この先輩の描写に作者さんの多少の悪意を感じるのは私だけなのかな?あえてマイナスイメージを持たせるように書いているような・・・?まあ、主人公から彼女寝取ろうとしてる人物ですし、メインはあくまで一つの企業が生き残っていくにはというテーマなので銀行側が多少マイナスにとられるようになるのは仕方ないのかな。

ひとつひとつの描写がリアルなのも特徴。おそらく本当にこういう手続きを経ているんだろうなと感じさせてくれる内容ですね。談合の部分もそうですし、検察の捜査という部分も、です。

作品の感想としてはこんな感じですかね~。ためになるし、ひとつの話として面白いです。

じゃあ、ここからは少し分かりにくかったという方が多分おられると思うので読むときに役に立ちそうな前提知識をまとめてみようかなあと。私も久々にそれ関連の教科書やら参考書を引っ張り出して読んでましたし。ただ、私も詳しくないですのであんまり期待はしないでください。

まず、ゼネコンって何か分かりますか?私、言葉は聞いたことあったけど正確な意味を知りませんでした。

ゼネコンとはゼネラルコントラクターの略です。建築も土木もやる大きな建設会社のことですね~。ちなみに土木は公共財を整える作業と覚えておけば多分大丈夫です。要は生活に関わる道路やらを作ることですね。今回の舞台はこの土木の部分です。

さて、建築部門は大体私人間契約という形になるかと思われます。簡単にいうとA「こういう感じの建物建ててくださいよ」B「わかりました」ってやつです。つまり基本的には行政やらを介さずに行われるものですね。

一方土木は公共財を作る工事です。これは公共団体(国とか県とか市とか)が「道路つくって~」という感じなんですが・・・ここで問題になるのが誰にやらせるかです。

私人間、つまり依頼主が私人ならその人が信頼できる業者さんに頼めばいいわけですが、公共団体が差別してええの?という問題が出てくるわけですね~。

そこで出てくるのが競争入札制度です。本当は他のやり方もあるんですがここで問題になっているのはこれについて、そして実務上おそらくほぼこれが使われているので今回は無視します。

競争入札には2種類、一般競争入札と指名競争入札があります。今回問題になっているのは後者なんですが、何が違うのかというと入札に参加できる企業の選び方に違いがあります。前者は希望者全部、後者は発注者があらかじめ入札に参加できる企業を選びます。

もちろん前者の方が公正ですし望まれています。それが真の競争の在り方だからね。じゃあ、なぜ後者が存在するのでしょうか?

それは行う事業が公共事業だからです。力のない企業が入札したものの、実際には出来ないというパターンは絶対に避けなければならないことだからですね。「私はわずかこれだけの額でこの工事を行えます」と一番安い額を示すとそこにその工事が任せられるのですが、最終的に「やっぱり無理でした~」とか言われる訳にはいかないんですね。

だからこそ、一定以上信頼のおける企業だけを入札に参加させる指名競争入札が行われるわけです。

ちなみにどうやって実際に工事させる業者が決まるかというとさっきも書きましたが、一番安い額を提示した企業に任されることになります。発注者としても安くやりたいですからね。

じゃあいよいよ本丸、談合について話しましょう。

どうして談合が起きるのかという問題。一番安い額を提示すれば仕事が取れるわけですが、もちろん相手がいることなのでどんどん安くなっていくわけですよ、提示される額が。それこそ利益が出ないくらいに。

だから、今回はA社、次はB社、その次は・・・というようにいつの発注をどこがとるかを決めておくことで過剰に価格が下がることを抑え、全体で利益を産み出そうとするのが談合です。

これだけ聞くと別に悪くない様に聞こえるかもしれないですが、自由競争が阻害された段階で一番割りをくうのは消費者です。土木という観点からみると国民ですね。実際はもっと安く出来るはずなのにそれをしないから余分に税金を払わなくてはならないという感じ。

じゃあそもそも何をもって談合というの?

これはこういう談合としてみるよりも企業間で示し合わせる価格カルテルの方が分かりやすいのでそちらで説明しますね~。ちなみにですがカルテル=談合と考えてくれて問題ないです。

ある商品を扱えるのは3社だけとしましょう。そこでは激しい価格競争が行われていました。A社が500円で売っていたらB社は450円、C社は400円。これを受けてA社は350円・・・という風に。

きりがない。このままでは利益が出なくなってしまう。そこでA社はこう持ちかけます。「価格競争は止めて、3社とも一律600円で売らないか?」これにB社もC社も賛同します。結果この商品はこの先ずっと600円で売られることになるのでした。

これが価格カルテルですね。一番損害を負ってるのは消費者です。

なお、実際は新規参入が考えられるのでここまであからさまにはならないんですけどね。それはここでは無視します。

でもね、市場理論をかじったことがある人は分かると思うんですが適正価格はどの商品でも需要と供給により決定されます。なので本来はその商品を扱う企業の全てが同じ価格で商品を扱うことは普通のことなんですよ。

だから結果として値段が同じになりましたという事実だけではカルテルがあったということができません。

そこで要件がもう一つあります。「意志の連絡があったかどうか」

これがあった+結果として行為が一致しているときカルテル、談合が行われたということが出来ます。もちろん作中で言われてましたがこれを立証するのはとても難しいんですけども。

ふう、やっとここまできた。もう一度言います。つまり談合の要件は・・・

事前に意志の連絡があったこと

結果として行為が一致していること

です。これを覚えておくとなぜ本作ラストがあのような結果になったのか理解出来るかと思われます。で、おそらくここに書いたことを覚えておけば大体すらすら読めるのではないかな?

さてはて、未熟な知識ではあるんですが本作を読む際に役に立ってくれるといいなと思います。

私のゼミの教授も絶賛してた本作、是非読んでみてはいかがでしょうか?

キャンセルされた街の案内

今回はこのブログにしてはちょいと珍しい、日々の日常の情景を切り取ったような短編集でございます。

作者さんは吉田修一先生。『悪人』の映画化で話題になってた方ですね~。妻夫木聡主演でした。残念ながら映画も原作も観てはいませんが、友人が面白いといっていたので今後読むかもしれません。

で、本作ですよ。200ページちょいの中に10個の短編。平均20数ページ。本当にあっさりとしたものが多かったですね~。短編小説を読むというよりも詩を読んでる感覚でした。表現が詩的というよりも詩そのものといった印象を受けましたね~。

というわけで、作品紹介~。・・・と、いつもならなるんですがいかんせん短編同士につながりがある訳でもないためどう紹介すればいいか分からないです。だから今回はひとつひとつに感想を書いてみてその中であらすじも紹介という形でお茶を濁すことにしますね~。

1.日々の春

新入社員の挙動がいちいち気になる女性の話。

本作中最も分かりやすい作品だと思われます。これは短編って感じがしました。短いながらも女性の心理描写を描きつつ、伏線を置き、しっかり回収。ラストも読者に想像の余地を残すさわやかな終わり方でした。

10個の中から選ぶのであれば一番好きかもと思えるお話でしたね~。

2.零下五度

前半が韓国へ旅行に来た女性、後半が韓国人男性の視点で進む物語。二人の共通点はよく思い出せないある話がどんな作品だったかについて考えてるところ。

作者さんが伝えたい意を私が汲めていないだけかもしれないけれど、少し分かりづらかった作品。不必要な描写が邪魔をしてた印象ですね~。メインの話探し自体は好きなんですけどね~。

「わけもなく泣きだしてしまった。理由などなかった。」

登場人物に理由が分からなくても、ストーリー上は理由がないといけない気も・・・。ただこの描写は女性がこういう人物なんだという表現なので必要ではあるんですけどね、多分。ちょっと分かりにくい、というか詩的。

一番分からなかったのは不要な事実の付記。「昨夜はサムゲタンを食べた後~」のくだりとか別になくてもええ気がするのは私だけ。視点が登場人物だから仕方ないのかな?

3.台風一過

言いたいことを訊いてもらえなくて苦しんでいる家出中の少年と言いたくないことを無理やり言わされる男性の視点で進む話。

これは好印象。あらすじの通り少年と男性の対比になっているのだけれど、この構造は好きでしたね~。後半の男性パートでこの比較がだされるんだけれど、男性はたまたま目に入った少年がその比較対象になっているとは気付いていないというのがいいですね~。

もうひとりの登場人物である女性がいい味だしてるのも高印象ですね~。

4.深夜二時の男

長く付き合っていた彼と別れ、引っ越した先のアパートで出会った隣人の男との奇妙な出来事の話。

これも2部構成ですね~。過去のアパートに住んでいた私とその後彼と寄りを戻し幸せな家庭を築いた私という2視点でした。

これもいい感じでしたね。なんで通報しないの?とか大家に伝えないの?とか疑問は感じなくはないですが綺麗にまとまっている作品だと思います。結構問題行動にも関わらず終始一貫してあっさり描かれているのが好印象。ラストも「あくまで思い出話、私には印象に残る出来事だったけど私しか知らないし今後考えることもない」みたいな感じで終わります。あ、もちろんですがこうやってストレートに表現されている訳ではないですよ?

5.乳歯

子持ちの女性と付き合う男性が子守をする。ひょんなことからその子が映画に出演することになり・・・という話。

心理描写としては面白いんし、男が少しだけ「お父さん」としてその気になるというストーリーも素晴らしいです。が、分かりづらい。というか男の友達付き合いはいるのだろうかとは感じました。これなくてもこのストーリーには影響なさそうな感じも・・・。でも男の置かれた立場を表現するには必要なのかな?どうなんだろう?

6.奴ら

専門学校に通う学生が痴漢に遭うという話。この学生も痴漢も男というのが少し変わってるところかな。

学生の彼女はいいね。こういう子好きやわ~。起こったことを客観的に観ると滑稽に映るだろうことが学生の心理描写ひとつでここまで面白くなるんか~と思わされましたね~。

7.大阪ほのか

大阪にいる友人を訪ね、飲みに出かけて・・・という話。

偶然にしても出来すぎだろと突っ込みたくなりますがそれは小説だから仕方ないですね。基本的には再会したふたりの会話で進む話ですがメインテーマはそれぞれ(ふたりだけではないです)の女性観ですね~。タイトルとラストが好きです。

8.24 Pieces

親友の彼女に手を出してしまった男性がチョコの紙包みに記していく物語。

短編というよりも詩ですねこれは。小さい紙包みに一言二言書いていくという設定なので時系列もばらばらですし。珍しい趣向ですし、この話には合っている気がします。最初何いってるん?ってなってたんですが最後までいって話を理解。読みこむと(というほどの文章量でもないんですが)面白く感じる話。

9.灯台

連れと歩く話。

短いですがこれをあらすじにしときます。実際読んでみて、読み進めていくうちになるほどと思った方が面白い作品ですしね~。一番小説っぽい作品。内容は現実的ではないけれども。実際自分がこういう境遇になったらどうするんだろう?

10.キャンセルされた街の案内

自分のところへ押しかけてきた兄。直前の恋愛、そして兄との再会を通じて過去を振り返る男の話。

この男が書いている小説と本文が入り混じるので少し読みづらい作品。ただ、小説は一部を除いて実際にあったことだけを書いているという設定なのであんまりつなぎ目を気にしなくてもいいかも。

表題作だけあり最も長い作品。男がいろんなところに考えを向けるので理解するのが難しいかも。私は大分困惑しました。これ、どこに着地したいんだろうと。ただ、この作品に関しては大体の伏線を綺麗に回収してますね~。短い文章ですがしっかりと。

・・・こんな感じかなあ。本作全体を通してみると、しっかりとした作品構造を決めて書かれているというよりはその登場人物が観てきた風景をそのまま切り取っているといった感じ。短編にはとても向いている趣向ですね。

素敵な表現と何か考えさせられる登場人物を取り巻くストーリー、是非手に取ってみてください。

詩的私的ジャック

今回は当初の予告通り?S&Mシリーズ4作品目『詩的私的ジャック』でございます~。

うーん、何気なく手が伸びてしまうあたりハマってるんでしょうね、このシリーズに。安心感がありますもんね、多分面白いだろうっていう。文章構成がしっかりしてますし結末までの筋道は綺麗の一言に尽きますからね、このシリーズは。まあ、例えめちゃめちゃありきたりな古典的トリックを使っていても犀川先生と萌絵ちゃんの会話だけで十分楽しめる作品だと思いますけど。

ただ、本作は二人の会話は少なめになっているんですが。その分少ない機会に凝縮されてる感じ。

さて、ではでは作品紹介へ~。

1つ目の殺人。服を剥ぎ取られ、ナイフで腹を傷つけられた被害者。綺麗に片づけられ、証拠が一切残っていない密室の現場。捜査は難航する。2つ目の殺人。またも密室。またも服はなく、ナイフで腹に傷がつけられている。傷の形は1,2つ目では違ったものであったがそのやり口から同一犯による犯行と思われる。密室という不可思議な状況に興味を持った西之園萌絵は捜査に乗り出すが、第3の事件に巻き込まれることになってしまう。・・・こんな感じですかね~。

今回は密室ではあるんですが、メインテーマは犀川先生が序盤で指摘された「なぜ、密室にしたのか?」になっています。前回の『扉は閉ざされたまま』と同じくホワイダニットの色合いが強い作品ですね~。

あといわゆる童謡殺人、見立て殺人です。「なぜ犯人は同一犯だと思われるような殺し方をしたのか?」が問題ですね。

実際密室のトリック自体はあっさり解けます。1,2番目の事件は3つ目が発生する前に萌絵ちゃんが解いちゃいますしね~。よくある機械トリックですので読者は考えるだけ無駄ですね。針と糸的な感じです。だから早い段階で「ハウじゃなくてホワイが問題だ」と釘を指している訳です、犀川先生直々に。

もちろん、ハウの部分が高度なものではないからといっても、理詰めの筋道を立てて読者を納得させるような推理を披露してくれるのが犀川先生ですし、このシリーズですのであんまり心配する必要はないですけどね~。

そして当然ながら謎は「なぜ」だけではないですから。これは読んでからのお楽しみということで。

個人的な感想だと作品単体でみれば『すべてがFになる』や『笑わない数学者』の方が驚きがあり楽しめます。が、S&Mシリーズの作品としてみれば本作は今挙げた2作よりも優れている気がします。こう考える理由はキャラクター描写がこっちの方がしっかりしてるからだと思います。事件自体に派手さはないけどユーモアあふれるキャラが作品を支えている感じですね~。

しかも前述の通り今回は犀川先生と萌絵ちゃんの会話は少なめです。その分萌絵ちゃんの心理描写がとてもよかったです。というかやっぱり可愛いですねこの子。

これが会話が少ない理由ですが、犀川先生を途中退場させたのも良かったですね~。海外出張だとかで。だから今回は安楽椅子探偵って感じの活躍。シリーズでも屈指のチートキャラですからね~。いたらあっさり解決に導いてそうな気がしますし。まあ、このシリーズで一番超越しているキャラクターはあの人なんですけどね。

本作は理詰めも素晴らしかったんですが、やっぱり各キャラクターに魅力があるところが読みどころですね~。犀川先生や萌絵ちゃんはもちろんですがその他脇役の皆さんが。実際事件だけを追うミステリだけを描きたいのであれば国枝さんの描写はオールカットでもいいはずなんですよ。ただ、それでもやっぱり必要なシーンなんですよね。本作全体を通してみると。

ちなみに本作は詩的と謳っているだけあって詩的表現のオンパレードです。台詞回しをなぞるだけでもお金とれるレベルな気がします。そんな本作の中で私が気にいった言葉を連ねて、この感想の締めということにしようかなと思います。

まず筆頭。個人的にさすが先生と思わされたのが「英語で言える?」

次はこれ。「煮もののような方ですね」かなあ。それとこれに対応するシーンがまたね、二人の関係性を表している気がして。

あとこれ。「私なら、行くよ」これはこの事件というよりもシリーズ全体で意味のある発言な気がしますけど。

うーん、まだ好きななのが結構あるんですが、書くと読んだ時のネタバレになってしまいそうなので自重しときますかね。推理後の独白とか、犀川先生と萌絵の本作ラストシーンとかはとても素晴らしい内容ですしね~。

ではでは、そんな素敵な描写が詰まった本作を、是非読んでみてはいかがでしょうか?

扉は閉ざされたまま

どうして積んであった本を崩さないんですかねえ・・・

ってわけで今回は過去に読んだ本を読みなおしましたー。きっかけは別の小説を友人に貸すことになりそれを探して本棚を漁ったからですねー。で、出てきたのが本作。懐かしくなって思わず読んでしまいましたー。

一応シリーズ物の1作目なんですよね。ただ残念ながらこれしか読んだことはないですね。興味はあるんですが私的に本作のラストは気にいってるのでこれでおしまいでもいいかなあと。

そしてドラマ化もしてる作品。WOWOWだから観てないけど。なぜか2作目の『君の望む死に方』が先に、その1週間後に本作がって感じみたいですねー。本日もウィキペディア先生全開でお送りしております。

主演?というか探偵役は黒木メイサちゃんでしたねー。ちなみに君の望む死に方』は松下奈緒さんですねー。私が感じたイメージは松下さんのほうが近かったかな。メイサちゃんはただ君のぐう聖キャラの印象が強いので少し違和感を感じます。あの子超絶いい子だったよね。

じゃ、作品紹介~。

懐かしい仲間との再開。親しい友人と楽しい時間を過ごすはずだった同窓会で起きる殺人事件。それは長い時間気付かれることなく事故死として片づけられるはずだった。そう、彼女がいなければ。ところどころ不審な点を正確に追求していく彼女。犯人と彼女、二人の思惑がぶつかり合う心理戦が幕を開ける。・・・こんな感じですかね。

さて前回と同じくいわゆる倒叙ものです。古畑シリーズとか刑事コロンボなんかで有名な。ただ『殺戮にいたる病』とはかなり趣向の違う作品ですね。まあ、あっちが特殊なんですが。

なので読者は犯人が分かりますし(ってか犯人視点で話進むし)、もちろん犯行シーンも最初に垣間見ることができます。つまりフーダニットでもハウダニットでもなくホワイダニットがメインの作品です。

どうして殺したのか。なぜそのような殺し方をしたのか。これが論点ですね~。

とはいえ、もちろん物語上の探偵役はそんなん知るよしもないので犯人と殺害方法を追求していくことにはなるんですが。それらを通して見える犯人と探偵役の心理戦がこの作品の醍醐味ですね~。

トリック自体はよくある感じですし、犯人が殺人を犯した動機についてはおそらく簡単に推理が出来ます。かなり分かりやすい部類。まあ、そりゃ犯人が誰か分かってるんだから当たり前といえば当たり前なんですけど。

ただ、どうしてその殺し方を選んだのか。これが本作のメインテーマなんですがこれが秀逸でしたね~。犯人視点なんですがどうして密室を作ったのか、なぜ部屋に誰かを入れること自体を拒むのかといった理由は種明かしまで語られません。読者に与えられる謎はこの一点です。この謎だけで読ませきってる感じですね。

まあ、細部に細かい配慮があるので魅力はこのメインテーマだけではないのが本作のいいところなんですけどね。

あと、ラストも個人的には好きです。後味が悪いと感じる方もいるかもですが、なかなか面白くまとまってます。古畑やらコロンボでこれやったら非難殺到でしょうけど、この人間関係ならベストなラストだった気がしますね~。

ただ、私的にはとても面白いと思う作品ですがこんな批判があるみたいですね。

「さすがにこの動機じゃ殺人は犯さないだろ」

うーん、確かに殺人の動機としては弱いのかもねー。私はミステリには最悪動機は必要ないと思う人なので気にならなかったけど。

まあでも、くだらない理由の殺人なんて現実世界でも結構ありますからね。「死にたくて道連れを~」とか「神の声を聴いて~」とか。そういう通り魔が言いそうな動機よりは冷静な事実把握と倫理観に基づいた高尚な動機でしたしね。殺人の動機に高尚も何もないとはおもうけれども。

あとあと犯人より探偵役に恐怖を覚える作品でした。結構珍しい部類の作品な気がします。ただ、そういうところも可愛いんですけどね、この探偵さんは。

と、見どころたっぷりな本作、是非手に取ってみてはいかがでしょうか?
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